統合経営報告

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トップコミットメント

30周年も「輝く笑顔があふれる地球の未来を創造します」株式会社クレアン 代表取締役 薗田 綾子

女性を中心にしたマーケティング会社としてクレアンを起業してから今年で30周年を迎えます。思い返せばあっという間の30年でしたが、その間には阪神淡路・大震災、バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災・・・と経済、社会そして事業においても劇的な環境変化がありました。

地球環境関連でいえば、1992年リオの地球サミット、1997年COP3、そして2010年ISO26000では企業の社会的責任の原則と範囲が標準化され、2015年にはSDGsゴールに世界各国が署名。パリ協定の合意と、地球の未来を変えていくコミットメントの重要性が国連や政府だけではなく、グローバルな企業間でも再認識されました。大きな潮流としては、金融機関も企業評価軸にESG投資を組み入れ、メインストリームとなり始めています。

クレアンも外部環境が大きく変わる中、創業の地大阪から東京に本社を移し、スタッフも数名から31名に増え、環境問題の解決に向けた意識啓発からCSR、CSV、ESG、統合経営へと企業経営に深く関わる方向に大きくシフトしてきました。社員と一緒に創った2030年ビジョンはSDGs達成も意識して、「2030年に持続可能な社会を実現するために企業、市民、政府の行動変革を起こし共に働く仲間が夢をかなえられる会社を目指します」とクレアン自体が大きな社会変革の核の存在となることを宣言しています。「トランスフォーメーション(変革)」というキーワードにあるように、画期的なイノベーションを起こしていきたいと願っています。

私に、もし人よりも優れた能力があるとすれば、少しだけ未来が見えることかもしれません。クレアンのビジネスモデルはユニークだと言われますが、私たちは社会や地球をサステナブルに変革するブレーン集団として、1995年にインターネットマガジンを立ち上げ、1999年から影響力の大きな企業の環境報告書、CSRレポート、サステナビリティレポートや統合報告書などの制作支援やESG情報開示のサポートを通じて、企業経営に変化をもたらすことに特化してきました。レポーティングとコンサルティングビジネスをセットにすることで、そもそもの企業の創業の存在意義やDNAを軸にあらゆるステークホルダーとの信頼関係を築く長期ストーリーを紡いでいます。

中でも、今まで大切にしてきたのが「ステークホルダーとの対話」です。最近は投資家とのエンゲージメント(対話)を重視する企業も増えて来ましたが、重要な課題への気づきの機会として対話による経営層へのフィードバックに注力しています。多くの企業で、プロセスそのものを開示し、その結果、意識浸透につながって企業と社会との関係性の見直しができました。もちろん先進的な企業ばかりではありませんし、世界を俯瞰すれば、地球環境も社会問題も課題は山積みです。このままの経済社会では、急速な経済発展の裏側で起きている負の連鎖、貧富の格差には全く歯止めがかかりません。孤立する人がさらに増え、コミュニティがどんどん崩壊していくと同時に、地球環境破壊は復元よりも悪化のスピードの方が速く、かつてない大きな環境変化に人類自体も適応できなくなってしまうかもしれません。悪化を防ぐためには、サプライチェーンも含めて企業の与えるネガティブな影響を限りなくゼロに近づけ、同時にポジティブな影響にシフトする必要があります。解決に向けては、ステークホルダーとの対話ほど実効性がありスピード感のある手法はありません。

企業はまるで大きな生き物です。ステークホルダーからの期待によって、意志を持ち、進化します。けれども、大きな環境変化や声に敏感に反応できないと、信頼をなくし、あっという間に退化し滅びてしまいます。経済的な価値を高めつつも決して利己的にならずに、30年先、50年先、100年先の長期視点を持ち続けなければなりません。では、どのように社会と共存していくべきか、地球環境との共生は可能なのか、自社の存在の見直しを問われているのが現代なのだと感じています。経営層だけでなく働く人々すべてが、利他の精神と善なる意志を持ち、自分とは何か、企業とは何か、これからの社会とどう対峙するのかという真理を探求することそのものが「真の経営」かもしれません。

そして、企業で働く個々人においては、本当に自分にとって大切な人は誰なのか?幸せな時間(人生)を過ごせているのか? この世に生まれてきた意味や幸せとは何なのか? この答えを見つけるプロセスが人生かもしれません。私たちはみんな「生かされている」という謙虚な姿勢で、たえず全体のことを考えなければ共生できません。もちろん、私自身も生かされているとずっと実感しています。たくさんの自然からの恵みをいただき、多くの人に支えられて今日まで健康で幸せに生きてきました。また、クレアンが誕生してからずっと支え、共助してくれた今は亡き両親や株主さま、多くの方々への感謝は言い尽くせないほどです。母の遺した言葉「人の迷惑になることはしなさんな。人のお役に立ちなさい。」は、私の原点でもあり、クレアンのDNAとなっています。もちろん、言葉を尽くしても足りないほど感謝しているのは、クレアンのスタッフたちで、本当に心から社会をよくしていきたいという熱い思いを持った素敵な仲間です。30周年に改めて、企業理念の「私たちは輝く笑顔あふれる地球の未来を創造します」を再度コミットメントします、そして、これからも多くの方々を楽しく巻き込みながら共に大きなチャレンジを続けていきます。天命の続く限り・・・。