障がい者雇用だけじゃない。エフピコ

2013-10-23 10:11 pm

食品トレー最大手のエフピコは、「障がい者雇用の最先進モデル」として良く名前を挙げられます。障がい者雇用率は16.1%で、その大部分が重度の知的障がい者です。エフピコは、一方で、増収増益を続けています。

エフピコでは、「一人ひとりの障がい者を戦力として活用する仕組み」が機能しています。」

食品トレーのリサイクル工場における使用済みトレーの仕分けなどを、障がい者が健常者と同じ仕事を分担して行っています。そして、「クレームゼロ」「生産性向上」などの具体的管理目標を与えられ、カイゼンを繰り返しています。

エフピコでは、働く意欲のある障がい者を積極的に雇用しています。最初は、工場内を徘徊したり、中にはお漏らしをしたりすることもあるようですが、6カ月もすれば、普通に働けるようになるようになるとのことです。そして、健常者とあまり変わらない水準の給与を得られるようになります。工場では、「機械や健常者のパートさんより知的障がいのある人のほうが、集中力が高く確実な仕事をしてくれる」と評価されています。

また、食品トレーは、軽量の割にはかさが張るため、物流コストやCO2排出を考えると、消費地に近い場所で、ジャスト・イン・タイムで生産することが求められます。それが、距離通勤の難しい障がい者に対し、働く場を提供することにつながっています。

こうした障がい者の戦力としての活用は、バリューチェーンのCSVの「従業員の生産性向上-未活用人的資源の有効活用」にあたりますが、エフピコが推進している優れたCSV/シェアード・バリューは、これだけではありません。

まず、材料や構造の工夫により食品トレーの軽量化を進め、資源利用削減とコスト削減を両立させるとともに、生産スピードを高め電力使用量を削減しています。

それから、「エコトレー」の普及を推進しています。エコトレーは、回収トレーと工場の端材から作る100%リサイクル材料を使ったトレーです。回収トレーは、スーパーでよく見かけるリサイクルボックスで回収していますが、このリサイクルボックスの設置を進めたのもエフピコです。

エフピコの小松会長は、米国でのマクドナルドの発泡トレーに対する反対運動の強まりを受け、早めにリサイクルシステムを作ることがスーパーのためにもなると考えました。そして、スーパーを説得しリサイクルボックスを設置してもらい、回収・リサイクルのシステムを確立しました。これは、スーパーと協働して、消費者の意識・行動まで変え、それを自社の競争力につなげる「競争基盤のCSV」です。エコトレーは、エフピコの製品の中で一番利益率の高い製品になっているとのことです。

エフピコの小松会長は、「リサイクル事業も、障がい者雇用事業もビジネスモデルだと思っています。つまり、利益を出す仕組みということ。障がいのある人だってこんなに仕事ができて、会社に貢献している。愛社精神も持ってくれている。当社がそうした全国的なモデルを示すことができれば、真似をする会社も出てくるんじゃないですか。」と言っています。エフピコは、シェアード・バリュー・マインドを持って事業を推進し、増収増益を続けています。これからの企業のありようを示しているように思います。

(参考)

「障害者が輝く組織が強い」(日経ビジネスオンライン2010.11.29、2010.12.6)

「逆風の企業戦略」(日経ビジネスオンライン2009.7.9)

「障害者雇用でスゴイ会社」plus-handicap.com/2013/05/864/

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