コカ・コーラの「コレチーボ」プロジェクト

2013-12-11 08:11 pm

コカ・コーラ・ブラジルが「コレチーボ」というユニークなプロジェクトを展開しています。ブラジルで低所得層の若者がスキル不足で仕事を得られないという社会問題に対して、そうした若者を教育して、コカコーラの小規模流通業者の戦力として活用しようとするものです。

プロジェクト立ち上げ時の事業計画では、地元NGOと協力して、若者に小売り、事業開発、起業家精神に関する2カ月間の研修を実施。その後、地元流通業者と組んで、若者を具体的な業績向上プロジェクトに取り組ませることを目指しました。そして、若者のスキルを高め、実務経験を積ませることにより、仕入れ、プロモーション、商品化、価格設定などの分野で小売業者のパフォーマンスを大きく改善できると想定。小売チャネルの強化や、対象地域でのブランド認知による売上の増加は、若者のスキルや職業能力を伸ばすための投資を大きく上回ると予測しました。

プロジェクトチームは、こうした事業計画を綿密に作り上げ、半年かけてマネジメントを説得しました。

このプログラムについて、コカ・コーラは、社会価値と企業価値の両方にKPIを設定しています。具体的には、社会価値として、職に就いた若者の数と参加者の自尊心の向上(インタビューで確認)、企業価値として、売上の伸びと対象地域でのブランド認知の向上を設定しています。そして、外部調査会社やNGOなどの協力を得て、これらのKPIの実績をモニタリングし、その結果を踏まえ、研修内容などを改善しています。

「コレチーボ」の売上高、利益率、投資額を確認した結果、コカ・コーラは、このプログラムへの投資は、2年で元が取れると判断し、ブラジル全土の150以上の低所得地域で展開しています。2009年のプログラム開始以降、小売り、事業オペレーション、起業家精神の基本概念について研修を受けた若者は、5万人を超えています。そして、その30%は、コカ・コーラやその小売パートナーに就職し、戦力として活躍しています。

CSV/シェアード・バリューのプロジェクトは、「コレチーボ」のように、社会価値と企業価値のKPIを設定し、PDCAマネジメントを実行していくことが理想です。また、社会に価値を創出する活動とは言え、CSV/シェアード・バリューでは、事業計画をしっかり作り上げてマネジメントを説得することが必要です。

日本では、高い教育を受けながら就職できず、社会で活躍できない若者が沢山います。「コレチーボ」と状況は異なりますが、ソーシャルメディアの利用などに長けた若者を戦力として活用することで、企業の利益、評判などを高めることのできる可能性も十分ありそうです。

(参考)

「『共通価値』を創出する5つの要素-Innovating for Shared Value」(ハーバード・ビジネス・レビュー2014.1)

”Measuring Shared Value: How to Unlock Value by Linking Social and Business Results” by FSG(Foundation Strategic Group)

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