農業とCSV

2014-01-20 09:17 am

「農業」は、CSVの取り組みが盛んに行われている領域の一つです。様々な業界において、CSVの取り組みが行われています。

農業にかかわる社会的課題としては、まず農家の経営支援があります。日本でも農家の平均年齢が66歳に達する中、後継者が不足し、耕作放棄地が増加する背景には、農家の経営の不安定さがあります。途上国などにおいても、農家の経営を安定させることが課題となっています。この課題に対し、食品を取り扱う食品メーカー、流通業者、外食業者などは、農家を支援しつつ、素材での差別化や安定供給を実現するCSVを実践しています。

食品メーカーでは、CSVの元祖であるネスレがコーヒー豆などで行っているように、自社にとって重要な農作物に関する「サプライヤー農家の育成」が広く行われるようになっています。日本でも伊藤園の「茶産地育成事業」、カゴメの「ジュース用トマトの全量国産化」など、自社ならではの素材のサプライヤー農家支援が行われています。流通業者や外食産業でも、契約農家の品質向上や一定価格での買取りなどの支援を行っています。www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=385#.Uto7GWeCjIU

また、農業にかかわる社会的課題としては、環境への配慮もあります。農地開拓による森林破壊、世界の水の7割が農業で利用しているという水の過剰利用、農薬による土壌・水質汚染など、農業は環境に大きな影響を及ぼします。環境問題に加え、食糧供給や安全性の問題も加えて持続可能に対応していこうという「持続可能な農業」という考え方がありますが、これがCSVの機会となっています。

ここでも食品メーカーが、樹木を栽培して、樹間で農作物を栽培する生物多様性に配慮したアグロフォレストリーを推進したり、農家が水の利用を効率化する点滴灌漑を行うことを支援したりしています。

こうした農家の生産性向上、持続可能な農業の推進といった農業にかかわる課題は、多様な業界にCSVの機会を生み出しています。農薬、肥料、潅水チューブ、農業用フィルムなどを取り扱う化学メーカー、農業用機械を取り扱う機械メーカーなどにとって、農業における社会的課題は事業機会となっていますが、最近は、IT業界も注目されています。

IT企業では、センサーを活用して、環境データを収集し、収量・収穫時期の予測精度向上、適地・適作生産化の判断、遠隔からの情報判断・制御などにより、農業を効率化する取り組みが行われています。シード・プランニングの予測によると、農業クラウドをはじめとする農業IT市場は、国内で2020年に600億円程度と予測されています。

国内では、TPP対応もあり、農業に対する政府の支援が強化される方向にあり、「農業」は、CSVによる利益創出・競争力強化の機会となっています。海外では、「持続可能な農業」への取り組みがさらに重要になっていくでしょう。「農業」×「CSV」は、多くの企業が検討すべきものだと思います。

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