ハイブリッド・バリューチェーン

2014-03-27 09:15 am

BOPビジネスなどにおいては、NPO/NGO等の協働が重要ですが、NPO/NGO、社会起業家、民間財団等を含む市民社会組織(Civil Society Organization(CSO))と企業のコラボレーションによるCSV/シェアード・バリューの実現について、アショカ財団のビル・ドレイトンなどが、「ハイブリッド・バリューチェーン」というコンセプトを提示しています。

ハイブリッド・バリューチェーンとは、企業が経営リソース、技術・ノウハウや資金調達力、CSOが社会的なネットワークや知見、低コストオペレーションを提供して、相互補完的なバリューチェーンを構築し、BOP市場などでCSV/シェアード・バリューを実現しようというものです。最近、CSOの価値創造能力が高まり、新興国・途上国市場が重要になっていることから、企業にとってハイブリッド・バリューチェーンを構築する意味合いが大きくなっています。

 ハイブリッド・バリューチェーンを構築する機会としては、特に、大きく成長しているか、価値観が劇的に変化している「市民社会市場」が有望です。例えば、アショカ財団の資産によれば、低所得者向け医療市場は、現在2,020億ドルの規模で、さらに急成長することが予測されています。また、低所得者向け食品市場の規模は、36,000億ドルで急成長しています。エネルギーや環境などの市場では、既存のビジネスモデルが大きな転換を迫られています。

また、ハイブリッド・バリューチェーンを構築するためには、顧客がどのような便益と費用のモデルを求めているかを吟味すること、様々な次元で価値を再考すること、プライシングと資金調達のイノベーションなどが重要となります。ここには、金融業界にとっての新しいビジネス機会も生まれています。

企業がハイブリッド・バリューチェーンを構築するためには、新規事業と位置づけて健全なリターンが求められる専門組織を編成すること、企業とCSO両方を統括するリーダーとして、共感性にすぐれ、チーム作りに長けた、粘り強い人物を選任すること、チームに時間的余裕を与え、失敗を容認することなどが求められます。

日本企業は、CSOとのパートナーシップが苦手という印象がありますが、グローバルで成功していくためには、ハイブリッド・バリューチェーンの取り組みも不可欠と言えるでしょう。それは、新しい市場におけるCSV/シェアード・バリューを実現することでもあります。

(参考)

「ハイブリッド・バリューチェーン」ビル・ドレイトンほか著(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2011.8

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