グリーン・ブランドとヘンリー・フォードのDNA

2014-06-30 09:01 am

世界最大のブランドコンサルティング会社であるインターブランド社が”Best Global Green Brand 2014”を発表しました。これは、生活者の環境イメージ(環境パーセプション)と企業の環境活動の実態(環境パフォーマンス)を総合的に評価して、スコアが高い50社をランキング形式でまとめているもので、2011年から実施されています。

今年は、過去3年間トップだったトヨタを抜いて、フォードが1位となりました。トップ10は、1位フォード、2位トヨタ、3位ホンダ、4位日産、5位パナソニック、6位ノキア、7位ソニー、8位アディダス、9位ダノン、10位デルと、自動車、エレクトロニクス企業が中心で、日本企業も頑張っています。

1位のフォードは、やや意外かも知れませんが、最近は、トマトケチャップのハインツと共同で、トマト皮に含まれる繊維を使ったバイオプラスチックを開発し、自動車部品の素材として利用するといったことが話題となるなど、環境活動には積極的です。ハインツ以外にも、コカ・コーラ、ナイキ、P&Gといった異業種企業と共同で、100%植物由来のプラスチックの開発にも取り組んでいます。その他、2015年までに自動車1台の生産における水使用を30%削減する水戦略の発表、大手自動車メーカーで初めて、車体の屋根に太陽光発電ユニットを搭載した電気自動車を開発するなどしています。

私は、CSVに関する講演などで、新自由主義が普及する前は、米国の経営者も社会に貢献する意識を持っていた例として、ヘンリー・フォード氏の話をすることがあります。自動車産業の礎を築いたフォード・モーター創業者のヘンリー・フォード氏は、「自動車産業で莫大な利益をあげるべきだとは思わない。適度な利益が望ましく、過度な利益は望ましくない。利益は適度に抑えて、販売台数を多くするほうが良いと、私は考えている。なぜなら、車を買って、車に乗ることを楽しめる人が増え、そして、十分な賃金で雇用できる人数が増えるからだ。」と言って、T型フォードの価格を1908年から1916年の間に58%引き下げ、社員の賃金を業界標準の2倍としています。この行為は、株主や産業界の大反対を受け、株主からは、値下げを巡って訴訟を起こされましたが、ヘンリー・フォード氏は、ひるまずに価格を下げ続けました。賃金の引き上げを巡っては、産業界から猛烈な怒りを買いましたが、ヘンリー・フォードの意思は揺らぎませんでした。

フォード・モーターは、フォード一族が4割の議決権を持ち、創業家のビル・フォード氏が会長を務める同族経営の企業です。社会に対する意識、現在で言えばCSV思想を持つDNAが受け継がれ、それが環境活動に反映されているのかも知れません。

(参考)

www.interbrand.com/en/best-global-brands/Best-Global-Green-Brands/2014/best-global-green-brands-brand-profile.aspx?year=2014&brand=Ford

www.advertimes.com/20140625/article162051/

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