CSVのためのCSV:Closed Loop Fund

2014-08-21 09:31 am

以前、バリューチェーンのCSVの一形態である「Closed-Loop Production:循環型生産」を紹介しました。生産システムにおいて廃棄物を原材料としてリサイクルするものです。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=1289#.U_SWeFiCjIU

しかし、リサイクルの取り組みはまだ発展途上です。米国のリサイクル率は、1990年から2012年の間に倍以上の34.5%となっていますが、これは自動車バッテリーやタイヤのリサイクルが規制により進んだ影響が大きく、アルミニウム、ガラス、プラスチックなどのリサイクルは、十分進んでいません。

本来は、プラスチックを原料としてリサイクルするほうが、原油を採掘しプラスチック原料とするよりも安価でコスト削減につながるはずなのですが、リサイクルシステムへの投資が不足し、非効率となっているため、リサイクルの恩恵が受けられていません。もっとリサイクルのインフラが整備されて取り組みが進めば、コストを削減しつつ廃棄物を減らし、さらにCO2排出が削減され、雇用が生み出されます。

この課題に対応するため、ウォルマートが中心となって、“Closed Loop Fund”というリサイクルのインフラへの投資のために1億ドルを調達する取り組みが進められています。これまでに、ウォルマートに加え、コカ・コーラ、ゴールドマン・サックス、ジョンソン&ジョンソン、ペプシコ、P&G、ユニリーバなど計9社が、それぞれ500万ドルから1,000万ドルまでを投資しています。

ウォルマートは、昨年、リサイクル、消費財、サプライチェーンの30人の専門家を集め、米国でリサイクルを増やすにはどうすれば良いかを議論しました。その中で、ほぼ全員が、リサイクルに必要なインフラに投資するための資本アクセスが不足していると考えていました。その議論を受けて、リサイクルのインフラ整備を促進するためのファンドを創ろうというアイデアが生まれ、Closed Loop Fundの取り組みがスタートしました。

Closed Loop Fundは、自治体や企業のリサイクルのためインフラ整備の投資にゼロ金利または低金利で資金を提供しようとするものです。一部の資金は、最新のリサイクル技術を購入するためにも使われる予定です。資本のレバレッジも想定されています。

このファンドの投資からのリターンは限定的と想定されていますが、資本を提供する企業は、リサイクルインフラが整備され、効率的なリサイクルの取り組みが増えることにより、コスト削減からの利益を見込んでいます。

Closed Loop Fundの取り組みは、リサイクルによるバリューチェーンのCSVを推進するための事業インフラを整備する、ビジネス環境/クラスターのCSVです。複数の企業が協働してCSVのためのCSVを推進するユニークな事例です。多様な方法で3つのCSVが相乗的に発展する可能性を示しています。

(参考)

www.greenbiz.com/blog/2014/08/18/why-worlds-biggest-companies-are-investing-recycling

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