製品+啓発マーケティングで市場を創る:テトラパックの事例から

2014-11-20 08:21 am

常温長期保存が可能な食品・飲料用紙容器の充填システムをグローバルで展開するテトラパックのCSVを以前紹介しました。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=446#.VGf0I1iCj4g

テトラパックは、日本でも牛乳、乳製品、豆乳、ジュース、お茶、スープなど、様々な製品に使われており、日本の紙パックシェアはトップで、特にブリックタイプのものでは、80%のシェアを占めています。

テトラパックは、容器パックの用途として最も重要なものの一つである牛乳について、世界各国で、政府、NPO、地元の乳業・酪農業者と連携して、牛乳の栄養上(栄養状態改善上)の利点を家庭や学校に伝えつつ、学校給食プログラムを展開しています。健康・栄養という切り口で、牛乳用紙パックの市場を、啓発活動を通じて創り出しているのです。こうした社会的に価値をある製品を、社会的課題の啓発活動を通じて普及させるというのは、CSVマーケティングの基本パターンの一つです。

テトラパックは、最近は、環境に配慮した容器パックの開発に力を入れています。プラスチックのキャップ付きの製品については、キャップをサトウキビなど植物由来の材料のものにし、容易に取り外せてリサイクルしやすいものにしています。また、フィルム部分も植物由来のものとし、紙については、FSC認証を受けたペーパーボードを使用しています。さらに、顧客が容器パックを環境に配慮したものに変更しやすいよう、既存の充填システムをそのまま活用できるようにしています。

テトラパックは、こうした環境に配慮した製品開発と合わせて、顧客や消費者に環境問題を啓発するキャンペーンを行っています。“Moving To The Front”と呼ばれるキャンペーンでは、ホワイトペーパーを発行したり、持続可能な原材料調達を啓発するプロモーションビデオを作成したりしています。

www.youtube.com/watch?v=sfyKYEOogos

テトラパックは、持続可能な原材料の利用などに関する啓発活動を通じて、100%再生可能な原材料を使用した自社の製品に対する需要を創造しようとしています。そして、他社が追随できない技術的優位性による差別化を図ろうとしています。

環境配慮製品などについては、「環境配慮製品は、なかなか売れない」「消費者は環境よりも価格を重視している」などの声も聞きますが、市場は自ら創造するものです。社会に価値のある製品を開発したならば、それを社会に広げる努力もすべきです。社会的課題に対する啓発活動を通じて、社会にとって価値のある製品を広げるCSVマーケティングは、多くの企業に実践してもらいたいと思います。

(参考)

www.justmeans.com/blogs/tetra-pak-encourages-sustainable-raw-material-sourcing

www.sustainablebrands.com/news_and_views/packaging/mike_hower/tetra_pak_launches_first_package_made_100_plant-based_packaging_

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