社会に対する思いはCSVに通ず:生活の木

2014-12-03 03:39 pm

先般、エコッツェリアで行われている「環境経営サロン」で、ハーブとアロマテラピー関連事業を行っている「生活の木」の重永社長の話を聞きました。環境経営サロンでは、毎回質の高いCSV事例が紹介されます。今回、中小企業基盤整備機構の取り組みとともに、中小企業の代表としてプレゼンされた生活の木も、素晴らしいCSVの取り組みを行っています。

生活の木は、ハーブやアロマテラピーの市場を創造してきました。1970年代のハーブが日本で全く認知されていない時代から、世界中のハーブ産地で、その歴史、文化、生活のなかでどのようにハーブが使われているかを調査し、産地開拓と用途開発を進めてきました。そして用途開発をしながら、そのひとつずつを楽しみ方として提案することにより、ハーブある生活を創造してきています。その市場創造の取り組みは、「製品・サービス」「バリューチェーン」「ビジネス環境」の3つのCSVを見事に実践しています。

【製品・サービス】

ハーブの成分には薬効があり、アロマテラピーは、植物から抽出された精油を使って、ココロとカラダのバランスを整える健康法で、基本的に製品・サービスのCSVです。生活の木では、さらに人々の健康維持・増進に貢献するため、香りを使って心をケアする「メンタルアロマテラピー」、ハーブに含まれる成分を健康維持のために使う「メディカルハーブ」、古代インド・スリランカ文明に発祥する伝統医療を生活に取り入れやすい形にした健康法「アーユルヴェーダ」などを提案しています。

【バリューチェーン】

生活の木は、商社を通さず、ハーブを世界中から自前で調達しています。世界52カ国にある提携農家から高品質なハーブを安定的に調達するため、産地との密接なコミュニケーションにより安定的な生産を維持し、農家の安定した経営に貢献しています。生活の木では、その他にも、ハーブガーデンのレストランのごみの有機質肥料化(それでハーブを育てる)、障がい者の活躍によりビジネスを創るウェルフェアトレード、世界のコミュニティとのビジネスモデルを構築するコミュニティトレードなど、様々な活動を行なっています。

【ビジネス環境】

生活の木では、ハーブやアロマテラピーの市場創造・拡大を目的として、消費者や市場にハーブの効能などの知識を広げるために、日本アロマ環境協会をはじめとする複数の団体を設立し、普及・啓発活動を進めています。また、普及・啓発とともにハーブ・アロマテラピーに関わる人々を増やすため、アロマテラピー検定などの資格制度を作り、カルチャースクールも運営しています。

CSV市場を創造するには、(社会にとっての)新しい価値の提案、価値を最適に生み出すバリューチェーンの構築、価値を社会・市場に広げる仕掛け(ビジネス環境整備)が必要となります。生活の木は、健康を中心としてハーブやアロマテラピーの新しい価値を提案し、世界の様々なハーブ産地と直接つながるバリューチェーンを構築し、協会、資格、スクールなどを通じて、社会・市場に価値を普及・啓発しています。

こうした取り組みは、CSVのフレームワークに基づいて考えられたわけではありませんが、「世界一思いやりのある企業になりたい。-人々、地球、動植物、他国、次世代に対して思いやりのある企業になりたい。」という思いがその背景にあるとのことです。こうした思いを実現するために試行錯誤した結果が、多くの仲間を巻き込み、素晴らしいCSVになっているということです。まさに「高邁な思いはCSVに通ず」を体現されています。こうしら素晴らしい企業からは、業種や企業の大小を問わず、学べるところが大いにあるはずです。

 

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