CSV推進リーダー:三菱ケミカル小林社長

2015-01-14 11:02 pm

三菱ケミカルホールディングスの小林社長は、日本で数少ないサステナビリティ推進の必要性を明言し、実践している経営者です。経営の評価軸として、売上・利益などの経済価値向上の軸(MOE=Management of Economics)、メーカーとして新しいイノベーションを生み出す技術経営深化の軸(MOT=Management of Technology)に加え、社会・地球環境の持続可能性を目指す軸(MOS=Management of Sustainability)を設定し、独自の経営手法を「KAITEKI経営」と呼び、正面から取り組んでいます。

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海外では、ユニリーバCEOのポール・ポールマン氏など、サステナビリティやCSVの推進にコミットする経営者は増えていますが、日本では、本気でコミットしている経営者は、まだまだ少数派です。

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理論派で鳴らし、「哲人経営者」とも呼ばれる小林社長は、経済諮問会議や産業競争力会議の議員を務め、経済同友会の次期代表幹事に内定するなど、社会的にも高い評価を得ています。その小林社長が、日経エコロジーのインタビューで、何故サステナビリティ経営に本気で取り組むのかを語っています。

MOSを経営指標とするきっかけとなったのは、CTO時代に研究開発テーマで悩み、最低でも10年、20年先の社会がどうなっているかを想定して、それに対して研究開発を行うバックキャスティングが必要と考えたことです。コンサルタントにも依頼し、将来テーマを考えた結果出てきたのが、「サステナビリティ」と「ヘルス」でした。それに、人間の自然な欲求に関わる「コンフォート」を加え、現在のMOSの構成要素となっている「サステナビリティ」「ヘルス」「コンフォート」の3領域に新規事業を絞り込みました。

MOSを導入しようとした当初は、社内外からこてんぱんにたたかれたとのことですが、世界経済フォーラムなどの国際会議に参加する中で、グローバル・アジェンダとして今、一番重要なのはサステナビリティだと感じ、これはやらないとえらいことになると考え、危機感を持って取り組んでいます。

KAITEKI経営を打ち出してから3年経ちますが、定量化にこだわってもなかなか社員の気持ちが変わるのには時間がかかると困難を感じているとのことです。そこで、2014年度からは、MOSの達成度をボーナスに反映するようにしました。また、次期社長選定の最も重要な要件として、KAITEKI経営、とりわけMOSが分かっていることを挙げています。

CSVについては、「KAITEKI経営」とCSVは同じ考えとして、地球がどん詰まりに来ている中でMOSに取り組むのは時代の要請であり、もうかっている会社はMOSも良いと認識しているが、MOSに取り組むことが業績につながることをさらに検証していきたい、としています。

小林社長は、10-20年先を見る時間軸、世界全体の動きを俯瞰する空間軸、人間の本性を洞察する人間軸をしっかり持って経営の方向性を考え、信念を持ってぶれずに経営しているようです。本物のリーダーと言える経営者は、社会全体のあり方を考え、社会の中の自社の役割を考え、その役割を果たすことを中心に企業を経営します。そうした経営者は、常にCSVを実践していると言えるでしょう。

(参考)

日経エコロジー2015年1月号

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