サーキュラー・エコノミー

2015-04-27 09:17 am

サーキュラー・エコノミー(Circular Economy)は、循環型経済とも訳される、資源の有効活用・再利用、いわゆる「クローズド・ループ」を推進する考え方で、最近、欧州を中心に広まってきています。欧州委員会は、2030年までに一般廃棄物の70%。包装容器廃棄物の80%をリサイクルし、2025年時点でリサイクル可能な廃棄物の埋め立て処理を禁じる「循環型経済へ向かって(Towards a Circular Economy)」という政策文書を採択しています。

サーキュラー・エコノミーが急速に注目されるようになっている背景の一つには、廃棄物の増加があります。世界銀行は、現在13億トンの一般廃棄物は、2025年には22億トンに増加すると試算しています。これら廃棄物の増加は、経済的なムダの増加でもあります。廃棄物として消費財分野だけでも年間2.5兆ドル以上の価値が失われているという試算もあります。廃棄物の増加以外にもサーキュラー・エコノミーを促進するメガトレンドとして、「資源や水の不足」「都市化」「消費者の意識と行動の変化」「シェアリング・エコノミーの拡大」「セルフ生産の動き」があります。

「資源や水の不足」について、水の不足については、カリフォルニアでの干ばつの深刻化などもあり、注目が広がっていますが、それ以外の資源も不足が懸念されています。銅など一部金属は、拡大する世界需要に対して供給が不足すると考えられています。資源不足に対応するCSVとしては、最近は、廃棄物の資源としての活用が注目されています。例えば、ヴェオリアは、廃水をバイオプラスチックスの原料として活用し、DSMは、農業副産物からバイオエタノールを開発しています。

「都市化」について、現在でも世界人口の半数以上が都市に住んでいますが、今後も都市人口は増加を続け、2050年には世界人口の7割が都市に済むようになると予測されています。人口の都市への集中は、都市で廃棄物が増加することを意味し、前述の世界銀行の試算でも、廃棄物増加の大部分は、途上国の都市で生み出されるとしています。一方で、都市への人口の集中は、廃棄物の収集と再利用のための投資の効率性を高めます。また、アセット・シェアリング・サービスの効率性を高め、こうしたサービスの機会が増加します。

「消費者の意識と行動の変化」について、様々なデータへのアクセスが容易となりソーシャル・メディアが進化することにより、消費者は、製品が社会や環境に与える影響に関する情報を知るようになり、製品のサステナビリティの観点でのパフォーマンスにも関心を持つようになります。消費者の意識の変化は、“ミレニアル世代”ではすでに顕在化しており、購買にあたって環境への影響を重視しているという調査結果もあります。こうした消費者は、商品の選択のみならず、廃棄物の分別や商品回収などのリバース・ロジスティクスにも協力的で、サステナブルな商品開発の共創パートナーにもなり、サーキュラー・エコノミーを促進します。

「シェアリング・エコノミーの拡大」について、資産を所有せず、シェアやレンタルするためのサービスは急速に拡大しています。シェアリング・エコノミーは、米国だけで260億ドルの規模となっており、世界のミレニアル世代の3分の1は、アセット・シェアリング・サービスを利用しています。こうしたサービスの機会については、下記の”Collaborative Economy Honeycomb”で一覧できます。

www.web-strategist.com/blog/2014/12/07/collaborative-economy-honeycomb-2-watch-it-grow/

「セルフ生産の動き」について、消費者が、企業が提供する商品を購入するだけでなく自ら必要なものを生産する動きがあります。家庭菜園など農産物の生産に加え、最近は、3Dプリンターで工業製品を自ら生産する動きもあります。基本的に、人は、自ら生産したものは大切に使う傾向がありますし、生産に要する資源も大切にします。こうした動きも、サーキュラー・エコノミーを促進します。

サーキュラー・エコノミーに関しては、上記のトレンドに対応した様々なCSVの可能性があります。特に、もったいない精神をDNAとして持ち、サッカーW杯などでのゴミ広いが世界的に賞賛されるなど、ゴミの片付けや分別などに消費者が協力的な日本においては、サーキュラー・エコノミーのポテンシャルは高いと思います。CSVの重要なキーワードとして、フォローしていきたいと思います。

(参考)

www.greenbiz.com/article/5-megatrends-will-unleash-value-circular-economy

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