セールスフォースの1-1-1プログラム

2015-07-13 09:12 am

今月のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー誌のセールスフォース・ドットコムCEOの小出氏のインタビューで、「1-1-1モデル」という興味深い取り組みが紹介されていました。

「1-1-1モデル」は、セールスフォース・ドットコムが15年前の創業以来実践している仕組みで、株式の1%を寄付や資金援助に回し、就業時間の1%をボランティア活動に充て、製品の1%を非営利組織に無償で提供するというルールです。セールスフォース・ドットコムがこの取り組みを推進している理由については、小出氏の言葉をそのまま引用します。

「私たちは、社会貢献の重要性を言い続けてきました。企業は単純に売上げを上げて利益を確保し、雇用を生み出すだけの器でいいのかとう疑問が根底にあるからです。地域社会への貢献があって初めて、社会とともに成長していく。」

「つまり、自分さえよければいいという姿勢から、イノベーションは生まれないと考えているのです。広く目線を広げることで、初めて気づかされることもあります。さまざまな活動をすることによって、さまざまなDNAや付加価値が増えるのです。こうしたアクティビティが会社の風土を変え、一人ひとりのキャパシティを広げるため、イノベーティブな発想も豊かになるのです。」

小出氏は、社会貢献活動のイノベーション創出への貢献を強調しています。私も同意見で、多くの人材が社会貢献活動を通じて、ビジネスだけでなく社会価値、社会全体について考えることで視座を高め、普段とは異なる活動、異なる人々との活動を通じて視野を広げることで、知識の組み合わせであるイノベーション創出の組織における土台が強化されます。特に、社会的課題がビジネス機会となるCSVの時代には、その効果がより大きいでしょう。

「1-1-1モデル」が社会価値の視点で優れているのは、会社が大きくなれば、地域社会への貢献も大きくなるように設計されているところです。また、この活動は、どんどん進化しており、株式の1%、就業時間の1%、製品の1%を拠出する取り組みを、当初はそれぞれ独立した取り組みと考えていましたが、それらを一つの組織に向けて統合したときに、大きな力が生み出されることを学んでいます。それから、取引先など他の会社を巻き込むことで、より大きな成果を上げるようになっています。

セールスフォース・ドットコム創業者のマーク・ベニオフ氏は、創業時から社会貢献活動を企業文化に統合しており、また、企業の社会貢献活動に関する成功事例を紹介した「思いやりのある資本主義」「世界を変えるビジネス」を上梓しています。ビジネスにおいても大きく成長しているセールス・ドットコムのような企業が社会価値創造を重視していることは、他の会社にも大きな影響を与えます。「1-1-1モデル」のようなプログラムを戦略的に導入する企業が増えることに期待したいですね。

(参考)

「ビジョンがないとイノベーションは生まれない」(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2015年8月号)

「世界を変えるビジネス」マーク・ベニオフ、カーリー・アドラー著(ダイヤモンド社、2008年)

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