コカ・コーラのパッケージを通じたコーズ・プロモーション

2015-07-23 09:13 am

前回、アディダスの海のプラスチックごみと違法漁業の魚網を使ったスニーカーの例をあげて、「製品を通じたコーズ・プロモーション」についてご紹介しました。製品を通じたコーズ・プロモーションとして、特定の社会的課題に対する社会や消費者の関心を高めるためには、製品パッケージを活用するのも、有効な手段です。

コカ・コーラは、中東においてラマダン期間限定で、「ラベルのない缶」を販売するキャンペーンを実施しました。キャンペーンのテーマは、「Remove Labels This Ramadan(このラマダンを機にラベルを外そう)」です。「ラベルのない缶」には、いつもの商品ロゴ等はありませんが、「Labels are for cans, not for people(ラベルとは缶のためのもので、人のためにあるものではない)」と書かれています。

コカ・コーラは、このキャンペーンの動画において、「人は、わずか7秒で他人に対し偏見と先入観を持ってしまう」ということを示す実験を行っています。ヘビーメタル・ミュージシャンや料理人、全身にタトゥーを入れた有名企業家ロイ・マケド氏などさまざまな人たちが真っ暗な部屋に集められ、お互いの顔が見られないまま会話をしていきます。その後、ライトアップされると全員がお互いを見て「話していたときのイメージと違う!」と笑い合います。そうするうちにそれぞれのイスの下に置かれたラベルなしのコーラ缶を見つけ、缶を手にとってまわすとそこには「Labels are for cans, not for people」と書かれています。

www.youtube.com/watch?v=84OT0NLlqfM

200以上の民族が存在するという中東地域では、その歴史的背景や宗教の違いにより、長い間争いが絶えません。今回のキャンペーンで、コカ・コーラは、多くの民族が互いに先入観や偏見という「ラベル」で分別するように生活しているこの地域において、「われわれは基本的にはみな同じ人間である。人に対してラベルを貼るべきではない」というメッセージを伝えています。

イスラム教圏では、人口の半数以上が25歳以下と若く、経済的にも多くの国々で成長率が高く、新しいライフスタイルを創り出す市場として注目されています。また、ラマダンは、イスラムの人々が年間の半分の消費を行う時期であり、欧米におけるクリスマス商戦の時期のように捉えられています。

コカ・コーラは、この重要な市場の重要な時期に、SNSの時代においても重要なプロモーションツールと認識されているパッケージを使って、社会的にインパクトのあるメッセージを伝えています。選択している社会的課題としては、水問題のようにコカ・コーラの事業と直結しているものではありませんが、市場戦略としては意味があります。コカ・コーラの取り組みは、製品パッケージも、コーズ・プロモーションの有効なツール、CSVの有効なツールとなることを示しています。

(参考)

adgang.jp/2015/07/102411.html

www.careertrek.com/daily/unlabeled-cocacola/

www.justmeans.com/blogs/coca-colas-middle-eastern-campaign-during-ramadan-promoting-tolerance

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