バイオマス活用のベストプラクティス:コマツ

2015-08-13 10:11 am

政府が2030年の望ましい電源構成(ベストミックス)で、バイオマスの割合を現在の0.1%以下から3.7~4.6%に引き上げることとし、バイオマス発電の電力買い取り価格を高めに設定していることもあり、バイオマス発電への参入が増えているようです。そのため、発電用に使う丸太の需要が急増しており、2016年末には、2015年の5倍に達する見込みとのことです。これは、国内の年間丸太生産の25%に達し、紙・住宅向けの丸太需要を侵食し、価格を高騰させています。

バイオマスが、紙・住宅用と木材を奪い合うような状況は好ましくなく、バイオマスについては、未利用材を用いることが理想です。建機大手のコマツは、地元の石川県小松市で、未利用材でエネルギーを作り環境負荷を下げながら、地方創生に貢献しています。

コマツは、東日本大震災以降、電力調達の安定性を高めるために省エネを進め、2014年には、購入電力量を2010年度比で52%削減しました。現在は、創エネでさらに40%の購入電力量削減を進めており、2015年度にも達成する見込みです。この創エネの中心を担うのが、地元の未利用材を用いた「バイオマス・コジェネレーション・システム」です。このシステムの投資には、約4億円かかっていますが、国と石川県からの約2億円の補助もあり、電力利用と重油使用の削減により、約7年で投資を回収できる見込みとのことです。

コマツは、工場で使用する木材チップをすべて地元の森林組合から調達しており、チップの材料は、間伐材の枝や先端、根元といった未利用部分です。また、未利用材を破砕するチップ製造機は、地元の取引先の機械メーカーと協力して、安価で保守も容易なものを開発しています。さらに、製造業で培ったノウハウを活用し、間伐材の収集、チップの加工、工場への搬入といったバリューチェーンの生産性を向上し、チップの低コスト化を実現しています。

こうして、コマツは、バイオマス利用を通じて環境負荷を軽減しつつ、地元森林組合の経営改善、地元製造業の新事業創造を支援し、地方創生に貢献しています。コマツは、地方創生を重視し、地方における人材活用、人材育成を推進しています。バイオマス利用の取り組みにおいては、高齢の生産技術者の経験とノウハウも活用しています。こうした、地方創生への貢献が、バイオマス利用のベストプラクティスと言って良いのではないでしょうか。

(参考)

「未利用材でエネ 地元活性」日経エコロジー(2015年7月号)

「丸太争奪戦」日本経済新聞夕刊(2015年8月8日(土))

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