エジソンの復活

2015-10-19 08:56 am

CSV関連の書籍やセミナーでは、良くゼネラル・エレクトリック社(GE)が登場します。私も、GE CEOのジェフ・イメルト氏が、政府、顧客、NGOなど、多数の環境専門家とのエンゲージメントを通じて、他社に先んじて環境ビジネスの可能性を洞察し、「エコマジネーション」というコンセプトを打ち出したことを、企業価値と社会価値を両立する環境ビジネス市場を拡大した「製品・サービスのCSV」の好事例として、良く紹介しています。

GEは、発明王トーマス・エジソンにより創設されました。エジソンは1890年までに、それまで手がけていた様々な事業をひとつにまとめ、エジソン・ゼネラル・エレクトリック・カンパニーを設立しました。そして1892年に、競合のトムソン・ヒューストン・カンパニーと合併し、現在のGEが生まれました。その後、時代に合わせてリーダーシップのスタイル、事業ポートフォリオなどを変化させながら、現在でも世界のトップ企業として君臨しています。GEは、ダウ平均株価構成銘柄のうち、1896年の算出開始以来唯一残存している企業であり、選択と集中が進むビジネスの世界で、世界的コングロマリットの唯一の成功例とも言われます。

そのGEのコミュニケーションにおいて、エジソンが復活しています。GEのHP、会社案内、講演、各種発表の中で、エジソンが引用されることが、明らかに増えています。これは、GEが、「CSV」と「テクノロジー」をこれからの経営の中心に据えていることが背景にあるのでしょう。

最近は、企業が自社を社会価値で再定義することが増えています。ネスレであれば「栄養の企業」、ナイキであれば「健康とフィットネスの企業」と自らを再定義しています。GEの場合は、「世界の重要な課題の解決に取り組む企業」です。前述のエコマジネーション、健康問題をビジネスで解決する「ヘルシーマジネーション」を軸に、世界の課題の解決に取り組む企業として自社を再定義しています。これは、GEのCSV宣言とも言えるでしょう。

そして、世界の重要な課題をビジネスで解決する方法として、最近GEが力を入れているのが「インダストリアル・インターネット」です。最近のジェフリー・イメルト氏の講演の内容は、ほぼ「インダストリアル・インターネット」です。GEは、一時期利益の半分以上を占めていた金融事業からの撤退を発表するなど、原点である「テクノロジー」への回帰を進めています。ただし、「インタストリアル・インターネット」で、ソフトウェア事業の強化や製造業のサービス業化を進めようとしており、従来の製造業とは異なる新時代の「テクノロジー」企業となることを目指しています。

GEが「CSV」「テクノロジー」という新しい方向性を社内外に浸透させる上で、エジソンを持ち出すことは、有効です。エジソンの“世界がいま本当に必要としているものを創るのだ(I find out what the world needs, then I proceed to invent it.)”という言葉は、まさに「CSV」を表現しており、数々のイノベーションを生み出したエジソンは、「テクノロジー」のシンボルとして最適です。

多くの企業においても、創業者の言葉や思想には、CSV的なものが含まれています。CSVが求められる時代に自らを社会価値で再定義し、CSVを進めていくには、改めて創業者を持ち出すことも有効かも知れません。

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