「パーパス」を考える

2016-03-10 09:07 am

少し前に「パーパス・ステートメント」について、ブログに書きました、www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=2243#.VtugfliCjIU

パーパスはミッションと類似しており、概念的整理が難しいところもあるのですが、前回書いたように、ミッション(経営理念)が企業ごとに様々な表現となっている現状を踏まえると、「パーパス」という新しい言葉で、企業の社会における存在意義を改めて定義することは、大いに意味があるのではないかと思います。

また、「企業の目的」というと、「それは利益を上げることではないか?」という意見が今でもあるかも知れません。しかし、「パーパス」として掲げるべきは、「社会にどのような価値を創出するか、どのように社会に貢献するか」です。www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=427#.Vtu_bliCjIU

では、「パーパス」を設定するときには、どのような考えを持って設定するのが良いでしょうか?アリストテレスは、「ニコマコス倫理学」のなかで、「究極の目的(パーパス)は幸福である」と言っています。なぜなら「幸福はほかのものの手段にはなりえない」からだということです。ナチス・ドイツの強制収容所での経験をつづった小説「夜と霧」の著者ヴィクトール・フランクルは、人間が実現できる価値について、「創造価値:善や美をつくり出すこと」、「体験価値:善や美を享受すること」、「態度価値:人間らしい尊厳ある態度を取ること」の3つに分類しています。経営やビジネスにおける「目的」の再発見を考える目的工学研究所の紺野登氏は、この3つをパーパスに置き換えて、「創造に関するパーパス:何かを発見する、これまでなかった状態に到達する」、「(あるべき)状態に関するパーパス:卓越した状態、理想状態に達する」、「美徳に関するパーパス:貧困の撲滅など」とパーパス構想のための整理をしています。

経済成長を追い求めてきた結果、社会環境問題が顕在化して未来が不確実となっている今の時代には、「人類や社会の持続可能な発展への貢献」が組織の究極の目的であるという考えもあります。www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=1588#.VtvF4ViCjIU

パーパスの設定にあたっては、これらの観点を組み合わせながら、自社ならではの社会価値を考えつくし、クリスタライズして表現することが必要です。

参考までに、いくつかの企業のパーパスとされているものを紹介します。ユニリーバ「持続可能な暮らしを当たり前にする」、サウスウエスト航空「人々に空を飛ぶ自由を与える」、ザッポス「顧客、社員、コミュニティ、取引先、株主に同時に、長期的かつ持続可能な方法で幸せを届けることが可能であることを示し、世界を鼓舞する」、グーグル「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」。

これらのパーパスは、「創造」「あるべき状態」「美徳」に分類することが出来ますし、「幸福」や「人類や社会の持続可能な発展への貢献」に関連付けることもできます。こうした「パーパス・ステートメント」が、多くの企業で設定される流れを創っていければと思っています。

(参考)

「利益や売上げばかり考える人は、なぜ失敗してしまうのか」紺野登+目的工学研究所著(ダイヤモンド社、2013年)

www.sustainablebrands.com/news_and_views/brand_innovation/amon_rappaport/how_define_%E2%80%93_align_%E2%80%93_your_brands_purpose_vision_missi

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