UPSのサーキュラー・エコノミー調査と取り組み

2016-03-31 09:06 am

米貨物運送大手のUPSが、GreenBizともに、サーキュラー・エコノミーに関する調査を実施しました。GreenBizのパネル5,370人にサーベイを送付し、14セクター423人(85%が米国人)の回答を分析しています。

サーベイの結果によれば、サーキュラー・エコノミーの考えが自社にとって重要と考える人は、現在72%です。2年前から重要だったと考える人は47%で、2年後に重要になると考える人は、86%です。サーキュラー・エコノミーの考えが急速に重要性を増していることが分かります。人口増加、資源不足、気候変動などの問題の顕在化、規制や廃棄物ゼロに向けた様々な動きなどが、サーキュラー・エコノミーを促進していると考えられます。

一方で、38%(売上10億ドル以上の企業では45%)が、サーキュラー・エコノミーがビジネスのメインストリームになるには、ビジネス価値を生み出す事例がもっと生まれることが必要と考えています。ビジネス価値を生み出す事例がもっと増えれば、マネジメントの理解も進み、サーキュラー・エコノミーの取り組みが進めやすくなるということです。

また、調査では、サーキュラー・エコノミーの成功には物流が「非常に重要」との回答が86%、「ある程度重要」との回答が10%で、96%が、物流が重要と考えています。これが、UPSがサーキュラー・エコノミーのサーベイを実施している理由で、実際、UPSは、サーキュラー・エコノミーの取り組みを進めています。

UPSのグローバル・サステナビリティ・シニア・ディレクターであるエド・ロジャー氏は、「UPSにとってサーキュラー・エコノミーの考えを取り入れることは、製品を設計・製造する企業とは異なり、スマートでサステナブルな物流で、顧客の製品や原材料の回収・再利用を支援することです。」と言っています。実際、UPSは、世界中で様々な製品をリユース・リサイクル・アップサイクルする回収プラットフォームであるテラサイクル社と協働で、サーキュラー・エコノミーの物流ソリューションを提供しています。

UPSは、顧客のサーキュラー・エコノミーへの参加を支援するだけでなく、自社のオペレーションでも、再生可能天然ガス(=バイオメタン)を使用し、サーキュラー思考を実践しています。バイオメタンは、埋立地で分解の進む有機性廃棄物や廃水処理、農業など、豊富かつ再生可能な様々な資源から抽出できるものですが、大気に放出されるとCO2の21倍の温室効果を持ちます。それを輸送トラックの燃料に使用することで、気候変動の緩和に貢献します。大気に放出される温室効果ガスを燃料として利用することは、優れたサーキュラー・エコノミーの取り組みと言えるでしょう。UPSは、バイオメタンによる走行距離を2017年末までに10億マイル(16.1億キロメートル)とすることを目標としています。

日本でも日立物流との提携を発表した佐川が、家電の回収・修理、商品の返品・回収などの静脈物流に力を入れています。物流企業にとっても、サーキュラー・エコノミーの動きは、大きな機会を提供していると言えるでしょう。

(参考)

www.greenbiz.com/article/ups-and-other-companies-have-big-plans-circular-economy-0

www.ups.com/content/jp/ja/about/news/press_releases/20150505_gas.html

 

 

CSV戦略ポテンシャル診断サービス
「CSV戦略ポテンシャル診断」サービスページ

コメントを書く







コメント内容


Copyright(c) 2012 Cre-en All Rights Reserved.