ヤマトの都市郊外の高齢化、協働による物流効率化への取り組み

2016-05-02 12:26 pm

地方の社会的課題に対応するため、全国各地の自治体と連携しながら、「高齢者の見守り支援」や路線バスで宅配便を輸送して過疎地の生活インフラを維持しようとする「客貨混載」などのCSVを進めるヤマトホールディングスが、都市郊外の高齢化への取り組みも進めようとしています。

ヤマトホールディングスは、住民構成の急速な高齢化が進む東京郊外の「多摩ニュータウン」で、宅配便の拠点を生かした生活支援サービスを始めると発表しました。高度成長期の首都圏の人口急増、都市部の住宅難を受けて造成され、1971年に入居が開始された多摩ニュータウンは、団塊世代が多く入居しています。その後、バブル崩壊による不動産価格の低下などを受けて若者が都心に回帰するようになり、高齢者ばかりが残る「高齢化の縮図」と言われるようになっています。

ヤマトは、多摩ニュータウン内の2カ所の団地に生活支援拠点を設け、買い物代行サービスや家事支援サービスを提供するとのことです。対象となる地域は、65歳以上の住民が3割に達し、外出や家事を避けがちになる人も少なくないとのことです。買物代行は、電話やカウンターで受け付け、商品価格に1点当たり20円の手数料を加えて配達します。家事代行は、1回1,500円で掃除や食器洗いを引き受けます。

また、ヤマトは、団地内の宅配便の配送では、競合の佐川急便と日本郵政の荷物も手数料をもらって一括配送し、物流を効率化しようとしています。多摩ニュータウンの取り組みでは、都市郊外の高齢化への対応に加え、競合との協働により、物流業界の人手不足の問題にも対応しようとしています。

ヤマトは、多摩ニュータウンでの取り組み以外でも、フランスでオープン型宅配ロッカーを展開しているネオポストとの合弁会社で推進しようとしている日本国内の宅配ロッカーセットでも、ほかの宅配業者にもオープンなものとし、受け取り手の不在による再配達の問題を解消しようとしています。

ヤマト、佐川、日本郵便などの宅配会社は、ネット販売の拡大等による経済インフラとしての重要性が高まるだけでなく、少子高齢化、過疎化が進む日本においては、生活インフラとしても期待されています。人手不足、環境負荷軽減などの課題に対応しつつ、クリエイティブに新しいサービスを展開できるポテンシャルを持っています。CSVでの競争や協働を期待したい業界です。

(参考)

日経産業新聞(2016.4.28)

business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/012900156/?P=1

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