Shared Value Leadership Summit 2016

2016-05-16 08:47 am

5月10・11日の日程で、Shared Value Leadership Summit 2016に参加してきました。また、前日の5月9日には、Shared Value Initiative Partner Knowledge Exchangeに参加してきました。

Knowledge Exchangeのほうは、各国でCSVを推進するコンサルティング会社などのメンバーと各国の状況について情報共有をした後、ハーバード・ビジネス・スクールで使用しているネスレのケースをもとに議論を実施しました。各国のコンサルティング会社との情報交換の中では、欧州で難民が社会問題となっているが、ビジネスとしても難民を如何に雇用するかが課題となっているとの話がありました。その中で、難民には起業家精神を持った優秀な人材も多く、こうした人材を活かすことが、企業および国家の競争力につながるという話があり、非常に興味深いと思いました。

Summitのほうは、例年どおりマイケル・ポーター教授のプレゼンから始まりましたが、今年は世銀グループ総裁のジム・ヨン・キム氏との対談があったため、プレゼンは短めでした。ポーター教授のプレゼンは、「社会が変化する中、ビジネスの役割が変わっている。社会貢献ではなく、本業でサステナブルかつスケーラブルに社会問題に取り組むことが必要。社会問題に関心を持ち、社会問題とビジネスの関わりを理解してビジネスの問題と捉え、そこにビジネス機会を見出すシェアード・バリュー思考が重要。」といった基本的には従来からのトーンでしたが、「シェアード・バリュー思考」は、重要なキーワードだと思います。

ポーター教授からは、昨年発表されたフォーチュン誌の”Change the World List”といくつかの企業も紹介されましたが、それが次のセッションにつながります。Change the World Listから、Ayala, MasterCard, CVS Health, Novo NordiskのCEOやEVPが登壇し、パネルディスカッションが行われました。個人的には、昨年、「健康」を追及する企業としてタバコの販売を中止したCVS Healthの話が印象的でした。

CSV Healthは、社名変更前はCVS Caremarkと言い、CVSとCaremarkが合併して出来た会社でした。合併会社が求心力を高めるため「健康」価値の創出を企業の目的と再定義しました。必然的に「健康」企業として、タバコを販売しているのは如何なものかという議論が巻き起こり、最終的には、何れタバコの販売を中止するなら最初にそれを実施する企業となるべきだという結論に至り、20億ドルの売上があったタバコの販売を中止しました。当然社内には大きな反対もあったようですが、長期的な観点からこの決断を下した結果、株価は66%上がり、店舗で時間を過ごす人も25%増え、優秀な人材が就職を希望してくるようになりました。長期的なCSV思考を持つ人間からすれば当然の結果とも考えられますが、実際にこうした決断を下すのは難しいものです。それを株式市場が評価しているというのは、多くの企業の参考になるでしょう。

Summitでは、その他、投資家によるパネル、SDGsを推進する企業によるパネルといった最近のホットイシューを取り扱ったセッション、「シェアード・バリュー推進における障壁にどう対応するか」など、より具体的なテーマを議論するワークショップなどが行われました。マイケル・ポーター教授やマーク・クラマー氏、様々なグローバル企業のトップエグゼクティブなどと気軽にネットワーキングできる雰囲気もあり、日本企業の方にも是非参加して欲しいイベントです。

※詳細説明のご要望があれば、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

 

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