地方創生のための地域密着のCSV:富山市とインテック

2016-06-06 08:38 am

富山市は、公共交通を軸として拠点集中型の街づくりを進めているコンパクトシティとして有名です。2012年には、OECDからコンパクトシティの世界的な先進モデル5都市として選出され、2014年には、ロックフェラー財団が選定する世界のレジリエントシティ100に日本ではじめて選定されています。

具体的には、日本初のLRT導入をはじめ、市内電車環状線の整備、パークライド駐車場整備、高齢者向けの100円定額定期券の導入、まちなか拠点の整備などにより、鉄軌道や路線バスなどの公共交通を活性化させ、その沿線に居住、商業、業務、文化等の都市の諸機能を集積させることを基本コンセプトとするまちづくりを進めています。これにより、人口減少と高齢化、過度な自動車依存による公共交通の衰退、中心市街地の魅力喪失といった地方都市の典型的な課題に対応しようとしています。

インテックは、富山市を創業の地とする独立系の大手システムインテグレーターです。株式会社富山計算センターとして設立され、地方の情報処理会社から、積極的な全国展開を行い、日本を代表する独立系システムインテグレーターへと成長した富山を代表する企業です。富山駅前の23階の本社ビルは、富山のランドマークとなっています。

インテックは、創業の地である富山市をフィールドに、ICTの利用により社会課題に対応する取り組みを推進しています。具体的には、「ICTを活用したまちの賑わい創出『富山まちあるきICTコンシェルジュ事業』」、「高齢者の健康増進支援『いきいきシニア倍増計画inとやま』」などの取り組みを進めています。

「ICTを活用したまちの賑わい創出『富山まちあるきICTコンシェルジュ事業』」は、 総務省の「ICT街づくり推進事業」として実施された、富山市、他企業、大学とのコンソーシアムで、ICT を活用してまちの賑わいを創出しようとする取り組みです。イベント情報や公共交通の位置情報など、まちあるきに役立つ情報を収集・配信するフリーWi-FiスポットやデジタルサイネージなどのICTインフラ、スマホアプリなどの情報配信プラットフォームの整備と併せて、属性カメラや交通ICカードで歩行者の動態情報を収集し、今後のまちづくり計画に活用するためのデータ分析を試行しています。

「高齢者の健康増進支援『いきいきシニア倍増計画inとやま』」は、総務省の「ICT 超高齢社会づくり推進事業」として実施された、富山市、介護予防センター、大学、他企業のコンソーシアムで、ICTを活用して高齢者の健康増進を支援しようとする取り組みです。高齢者の健康増進活動への意識づけと、イベントなどを通じた社会参加への誘導を行っています。具体的には、ロコモティブシンドローム予防を目的とした高齢者やその予備群向けの、参加者が楽しく取り組める新たなエクササイズの提供、活動量計の配布と健康記録取り込みポイントの設置、健康データの可視化と分析、参加者のモチベーションを高めるための、富山の薬売りをモチーフにした活動量データを活用したゲームの開発・提供などを実施しています。

このような地域密着の地域の課題に対応する取り組みを行政と連携して進めることで、インテックの技術やノウハウが蓄積されれば、それはインテックの強みとなります。それが幅広い地域の課題に対応するために活用されれば、インテックのビジネス価値も生み出すCSVとなります。

富山市とインテックは、高齢者に2,000個のセンサーを配布し、その動向を調査するなど、新しい取り組みも進めているようです。各地域で地域を代表する企業が自治体と連携して地域の課題に対応する取り組みを進め、それが企業にとっても価値を生み出すCSVとなる事例が増えることは期待したいですね。

(参考)

www.intec.co.jp/company/itj/itj16/contents/itj16_10-17.pdf

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

bizgate.nikkei.co.jp/series/007620/index.html

CSV戦略ポテンシャル診断サービス
「CSV戦略ポテンシャル診断」サービスページ

コメントを書く







コメント内容


Copyright(c) 2012 Cre-en All Rights Reserved.