パーパスでどう消費者を惹きつけるか

2016-06-30 08:30 am

“パーパス”が企業の競争力を高める原動力として注目されています。社会にどのような価値を生み出す企業であるか、パーパスを明示することで、社会、社員、消費者などステークホルダーと強固な関係が築かれ、それが企業の競争力となります。また、“パーパス”は新しい市場、より大きな市場への道しるべともなります。

しかし、パーパスを単に定めるだけでは不十分です。パーパスを中心としたステークホルダーとのエンゲージメントにより、信頼を高める必要があります。例えば、パーパスを軸として、消費者との信頼関係を高めるには、以下の5つの方法があります。

1.消費者の社会的要請に耳を傾ける。

消費者が企業やブランドに対する知識を得るにつれ、パーパスに基づき消費の選択をする消費者の需要が増えます。消費者は、サポートするブランドからの本物で透明なメッセージを切望します。ブランドは、そうした消費者の信頼を維持し強化するために耳を傾け、行動する必要があります。例えば、キャンベルスープは、透明なラベルを求める消費者の声に耳を傾け、GMOの情報をすべての商品のラベルに記載することとしました。それにより、消費者の信頼を得るだけでなく、意識の高い消費者の応援により、市場シェアを拡大しています。すべての消費者運動を受け入れることが重要です。米国のいくつかのスーパーマーケットは、最近の消費者による誓願活動を受けて、100%ケージフリーの卵だけを売るようにするとしています。このように、消費者の声に耳を傾けることは、ブランドがミレニアル世代、ジェネレーションZ世代など新しい世代が、何を求めているか、サステナビリティ領域のトレンドは何か、ポジティブなソーシャル・インパクトを生み出すために何ができるかを深く理解することにつながります。

2.消費者エンゲージメントに新しいアプローチで取り組む。

効果的なマーケティングとコミュニケーションは、常に顧客とエンゲージするパワフルなツールです。しかし、パーパスに基づくメッセージを輝かせようとするときには、エンゲージメントの新しいアプローチがより効果を発揮します。例えば、ベン&ジェリーズは、ソーシャルメディアや政治的アクティビズム・キャンペーンを通じて、感情の力により消費者の態度や行動に影響を及ぼしています。意識の高い消費者は、購入する商品に何が含まれているかを考慮し、そうした情報を求めています。もし“パーパスを競争力の源泉とするブランド”が、様々なアプローチで情報を適切に提供することができれば、消費者とブランドのWIN-WIN関係が築けます。昨今、消費者はブランドが“良きこと”をすることを望んでいますが、良きことだけではブランドに対する消費者ムーブメントを構築することはできません。マーケターは、もっと深いレベルで消費者とつながり、本当の感情をスパークする必要があります。

3.社会問題に取り組み、失敗を認める。

ブランドにとって、消費者の信頼を構築し維持するより重要なことはありません。信頼は、ブランドにとっての“操業許可証”のようなものです。しかし、増大する不平等は、大企業を含む既存組織に対する不信を生んでいます。一般市民の80%は、ビジネスは社会問題の解決をリードすべきと考えています。ブランドは、富の不平等、地球環境破壊における資本主義の役割、進歩の指標としてのGDPの欠陥、効果的でない政治システムといった、変化するマクロ課題の中で信頼を築かなければなりません。ブランドは、最大の社会問題に取り組むべきです。また、信頼を築くもう一つの方法は、失敗を認めることです。ケリング・グリーン・マウンテンは、リサイクルできない使い捨てコーヒーポッドについて非難されましたが、失敗を認め、コーヒーポッドを環境に優しいものに変更しています。

4.消費者需要を自ら創り出す。

数ヶ月前、ニューヨークタイムズ紙は、フォルクスワーゲンの排気スキャンダルを報道しました。そのとき、フォード欧州のチーフ・オペレーティング・オフィサーは、「我々は電気自動車を持っているが、消費者の需要がない。」と嘆いていました。しかし、ブランドと企業は、変化を自ら創り出さなければなりません。消費者の電気自動車やサステナブルな未来を創る製品に対する需要を創り出さなければなりません。例えば、テスラは、イノベーティブな技術、クールなデザイン、スマートなマーケティングで、電気自動車に対する大きな需要を創り出すのに成功しています。

5.社内エンゲージメントを強化する。それは、顧客に信頼に反映される。

社内でブランドを展開することは、一般の認知に反映されます。従業員にパーパスを浸透させることは、社内のエンゲージメントを向上し、ブランドは、従業員のマインドセット、文化、生産性を変えることができます。従業員がパーパスを理解していなければ、ブランドは顧客との信頼を築くことができません。従業員が企業やブランドを信じていなければ、誰も信じません。従業員エンゲージメントは、消費者エンゲージメントと同等に重要です。ブランドは、従業員にビジョン、ミッション、パーパスを浸透させる必要があります。

こうしたパーパスを軸に消費者の信頼を高めるコミュニケーションについて、日本企業はこれまで十分に取り組んできていないように思います。多くの企業にとって、ブランドの信頼を高める工夫の余地は、まだまだあるのではないでしょうか。

(参考)

www.sustainablebrands.com/news_and_views/blog/nassy_avramidis/top_5_new_ways_connect_consumers_your_brand_purpose

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