CSV思考:課題をニーズに結びつける。未利用資源をシーズとして活かす。

2017-03-23 09:18 am

ビジネスの基本は、ニーズとシーズのマッチングです。一方、CSVの基本は、社会課題と解決策の組み合わせをビジネス化することです。CSVを考えるときの基本の一つは、「課題をニーズに結びつける」ことです。

先日、私が副理事長を務めるCSV開発機構のセッションで、CSV開発機構と関係の深い、弘前市で「たびすけ」という旅行代理店を経営する西谷さんの話を伺いました。西谷さんは、青森県が日本一の短命県であるということに着目し、朝からお酒を飲み、昼から締めのラーメンを2杯食べるといったひたすら健康に悪い「短命県体験ツアー ~青森県がお前をKILL~」を企画するなど、非常にユニークな視点を持った方です。

西谷さんの企画するツアーの中で、CSV的だなと思ったものの一つが、「雪かきツアー」です。雪国の人にとっては、ゆううつな作業であり、高齢化が進む中で社会課題となっている雪かきを、旅行商品・ニーズに変えたものです。雪かき競争、雪かき検定といったエンターティメント性を加え、課題をニーズに結びつけています。将来は、雪かきに苦労する高齢者の家の前を都会の人が喜んで雪かきするような企画を目指しているとのことです。所謂ボランティア・ツアーとは異なる、楽しむための旅行で、CSVを実現しようとするのは、素晴らしいですね。

西谷さんの話でもう一つCSV的だと思ったのが、「ねぷた解体体験ツアー」です。ねぷた祭りは、弘前の人たちにとって大切な祭りですが、長い時間と労力をかけて作ったねぷたを、祭りが終わった脱力感の中で解体するのは、これまたゆううつな作業ですし、きれいなねぷたを解体してゴミとしてしまうのは、もったいないことです。そこで、これを旅行商品・ニーズにすべく、ねぷた解体を体験するツアーを企画し、ツアーの参加者は、きれいなねぷたの一部を持ち帰り、家に飾ったりしています。これは、課題をニーズに結び付けていると同時に、祭りの後のねぷたという未利用資源を活かして価値を創りだしています。

この「未利用資源を活かす」というのもCSVを考えるときの基本の一つです。最近注目されているシェアリングエコノミーは、まさに未利用資源を活かすものです。Uberは、製品寿命の90%が使われていないとされている自家用車という未利用資源を活用するものですし、AirBnBは、家の空き室という未利用資源を活用するものです。保険のセールスレディは、戦後営業職が不足する中、女性という未利用資源を活かしたものです。

企業もバリューチェーンの中でまだまだ未利用資源があると思いますし、日本全体で言えば、人口が拡大する中で蓄積された様々な資源が、人口減少社会で未利用資源となっていくことが想定されています。AirBnBなどのビジネスモデルは、政府が拡大しようとするインバウンドに対応する宿泊キャパシティが不足している中、空き家・空き室の増加という課題と宿泊の確保というニーズを結びつけやすいところです。視点をグローバルにも広げつつ、課題を如何にニーズに結びつけるか、未利用資源を如何に活かすかは、CSV人材としては、常に頭にいれておくべきものです。

(参考)
「未利用資源つなぐ発想を」日刊工業新聞(2017.2.27)

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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