SDGsにCSVアプローチで取り組む基本

2017-09-18 09:49 am

経団連のSDGsを組み込んだ企業行動憲章改定、GPIFがESG投資先企業のSDGs取り組みに関心を示していることなどで、今後暫くは、日本国内でもSDGsへの関心はさらに高まりそうです。しかし、近年のISO26000、CSVなどのように、一部で盛り上がりを見せたものの、結局は、企業経営に根付かずにブームは収束するという可能性もあります。

そもそもSDGsは、現在の資本主義のあり方、企業経営のあり方では、十分解決できていない問題を整理したものであり、資本主義のあり方、企業経営のあり方に変化をもたらさなければ、本質的には解決できないものです。2030年までに、資本主義や企業経営のあり方が本質的に変化することはないと思いますが、SDGsへの関心をきっかけとして、必要な軌道修正が始まり、SDGs後につなげていくようにしていく必要はあります。

そういう意味で、企業がSDGsに本質的に取り組むことは容易ではなく、結果が出るまでには時間を要します。国連や各国政府は、SDGsが一時のブームで終わらないよう、企業が関心を持ち続けるように、意識付け、政策的サポートを継続することが求められます。

一方、企業は、SDGsにどう取り組むか。企業が社会課題に取り組むアプローチとしては、事業におけるマイナスの影響を軽減するCSRアプローチ、事業とは切り離した活動で社会にプラスの影響を与える社会貢献アプローチ、事業活動そのものでプラスの影響を生み出すCSVアプローチがあります。多くの企業は、すでにCSRや社会貢献、あるいは製品・サービスの提供価値を通じて、いくつかのSDGsに貢献しています。しかし、それをアピールするだけでは、SDGsに本質的に取り組んでいることにはなりません。

SDGsの流れを受けて、社会貢献アプローチを強化する企業は出てくるかも知れませんが、これには限界があると思います。また、CSRアプローチで自社のSDGs関連課題へのマイナスの影響にさらに関心を持って取り組むことは重要ですが、資本主義や企業経営のあり方の本質的な変化をもたらすという意味では、CSVアプローチがカギを握っていると思います。

では、CSVアプローチでSDGsにどう取り組むか。課題と解決策を構造化し、自社事業とマッチする解決策がないかを考えるのが有効な方法です。例えば、「SDG2:飢餓」という課題に対しては、「食料のパイを増やす」「食料のムダをなくす」「必要な栄養素を届ける」という解決策があります。「食料のパイを増やす」をさらに構造化していくと、「農業の生産量を増やす」「食べていないものを食べる」「新たな食料を創造する」になります。「農業の生産量を増やす」は、さらに構造化が必要ですが、「食べていないものを食べる」くらいのレベルになれば、そこから具体的な商品として、「昆虫食」などが考えられますし、「新たな食料を創造する」であれば、「淡水養殖」や「植物肉」のようなものが、いろいろ考えられます。SDGsすべてに関して同じレベル感で考える必要はありませんが、自社事業と関係しそうなところについては、詳細に構造化して、ある程度のレベルでブレストすると、いろいろなCSVアイデアが生まれるはずです。

課題の解決策を構造化する場合、「緩和」「適応」「可視化」が基本となります。上記では、「飢餓をなくす」という緩和のアプローチについて考えましたが、網羅的に考える場合は、「適応=飢餓の状態でも大丈夫にする」「可視化=どこの誰のどの栄養素が不足しているのか見える化する」という観点も必要です。

また、最終的にCSVアイデアを考える場合は、「製品・サービス」と「バリューチェーン」が基本となります。「昆虫食」のような商品・サービスに加え、「農業の生産量を増やす」を構造化していくと、「耕地面積を増やす」が出てきますが、この場合は、伊藤園の茶産地育成事業で耕作放棄地を茶畑に変えているような「バリューチェーン」での取り組みがCSVアイデアとして考えられます。

「緩和」「適応」「可視化」の視点での課題に対する解決策の構造化、「製品・サービス」「バリューチェーン」視点でのCSVアイデアの創発が、CSVアプローチでSDGsに取り組むときの基本です。SDGsに対するCSVの取り組みを増やしていることで、自社ビジネスと社会課題との関係、自社ビジネスのポテンシャルに対する理解が深まり、本質的なSDGsへの取り組みに近づいていくことができると思います。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

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