ユニークなサーキュラー素材開発の動き

2017-10-18 09:22 pm

製品・サービスのCSVとして、素材は、幅広く活用される可能性があり、イノベーティブなCSV素材は、大きなインパクトを創出できる可能性があります。最近、面白いCSV素材のニュースがふたつありましたので、共有します。

ひとつめは、メタンから細菌によるつくられるバイオポリエステルです。牛のげっぷやゴミの埋め立て地から排出され、CO2の30倍以上の温室効果があると言われるメタンは、CO2に次いで地球温暖化への影響が大きく、温室効果ガスの16%程度を占めるものです。このメタンのアパレル素材への活用が進められています。

バクテリアが体内で貯蔵物質として、メタンからバイオポリエステルを合成することは知られていましたが、米国のスタートアップ企業Mango Materialsが、このバイオポリエステルを用いたアパレル素材を発表しました。この素材は、生分解性を持ち、廃棄されても、自然に還ります。その際に排出されるメタンは、バクテリアによって再びバイオポリエステルに合成することが可能です。洗濯時のミクロ繊維が海洋に流れ出ても、微生物により分解されるため、海洋プラスチックの問題も解決します。

現在は、汚水処理プラントから発生するメタンを試験的に使用していますが、さらなるメタン源を求めて酪農場とも協議しているとのことです。また、すでに一部アパレルメーカーとは、新素材を用いた商品の試験開発を進めており、本格生産に向けた資金調達も順調とのことです。将来的には、衣類だけでなく、すべてのプラスチック製品に応用する可能性もあります。この素材が広く使われるようになれば、衣類をはじめとする多くの製品を、環境負荷なしにリサイクルすることが可能になります。究極のサーキュラー素材と言えるでしょう。

ふたつめは、ナイキの新素材「フライレザー」です。見た目は普通のレザーのようですが、従来は廃棄していた皮革の小片をすりつぶして再利用したものです。製造工程で余った皮革の小片を細かくすりつぶし、ポリエステル混合紡糸と水を混ぜ合わせて、ケーキを焼くような方法でつくられます。フライレザーシューズの最初のシリーズは、すでに発売されています。

ナイキは、フライレザーを英企業のE-Leather社と共同で開発していますが、同社は、この合成皮革で、自動車などの座席のカバーをつくる工程を開発しています。E-leather社は、この工程でつくられたカバーは、通常の皮革より最大80%軽くなり、5倍の耐久性を持つとしています。構造的に強度と安定性を備え、設計の自由度が高いとのことです。

このフライレザーは、皮革製品の生産工程から発生する水とCO2を削減しようとする、ナイキのサステナビリティ部門の発案から誕生しました。結果として、従来は廃棄されていた素材を、新たな素材として再利用するサーキュラーな生産サイクルを実現することとなりました。原材料を使い尽くすというサーキュラー・エコノミーの思想にマッチする素材です。

その2つの素材は、社会課題に対する意識があるからこそ生まれた素材だと思います。企業が社会感度を高めることは、こうしたイノベーションを生み出すことにつながる新しい競争力の源泉となります。

(参考)

wired.jp/2017/10/10/polyester-created-by-methane/

wired.jp/2017/09/25/nikes-flyleather-design/

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

csv-jp.org/related_info.html

bizgate.nikkei.co.jp/series/007620/index.html

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