Bean to barチョコとESGを考慮したバリューチェーンの生産性

2017-11-13 02:41 pm

Bean to barチョコレートのMinimalは、世界各地のカカオ産地で豆の栽培や発酵乾燥などの指導を辛抱強く続け、ワインのように土地の個性が引き出されたチョコレートを作っています。この取り組みの中で、高品質のカカオ豆を農家から直接高く買い取り、農家の人々の収入と品質改善の意欲を高めています。また、カカオ農家と協働して生産手法の改善や豆の品質向上に取り組み、現地の人々の生活をさらに向上しようとしています。

一般的な量販のチョコレートは、豆を仕入れて生地を生産する一次加工メーカーと、その生地を仕入れて、ミルク、バター、香料などを加えて製品にする菓子メーカーなどの二次加工メーカーに分業化されています。こうした効率や均質性を求めるバリューチェーンの中では、カカオ豆の個性が消えてしまいます。また、農家として量が求められるために、児童労働の原因となったりします。Bean to barでは、そうした問題を解消しています。

このストーリーを読みながら、「バリューチェーンのCSV」のことを考えていました。バリューチェーンのCSVは、もともとのポーターらのCSV論文では、「バリューチェーンの生産性を再定義する」とされていますが、従来、価格や効率を追い求めてきたバリューチェーンの本当の生産性を改めて考えるものです。

カカオ豆の例で言えば、安価なカカオ豆を大量に調達して、効率的に生産して販売するバリューチェーンの生産性と、少々コストをかけてでも、カカオ農家と協働してカカオ豆の品質を高め、さらには、再生可能エネルギーによる生産、生産工程での廃棄物を再利用する持続可能なバリューチェーンの生産性のどちらが真に高いのかを考えます。

人権問題や環境問題への関心が高まり、サプライチェーンにおける社会課題の解決が求められる時代には、価格や効率を重視したバリューチェーンを構築することが、サプライチェーンのCSRマネジメント、レピュテーションリスクへの対応など、追加コストを必要とするようになっています。また、そうしたコストは増加する一方です。

さらには、カカオについて言えば、持続可能性を考慮するバリューチェーンは、気候変動などで生産が不安定化する中での、農家との協働による安定調達につながりますし、自社のCSVとしてアピールすることによる顧客や人材の獲得などのメリットもあります。

ESG/SDGs時代には、ESG要素を考慮してバリューチェーンの真の生産性を評価することが、チョコレートメーカーに限らず、競争力に直結するようになっています。

(参考)

wired.jp/waia/2017/29_takatsugu-yamashita/

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

csv-jp.org/related_info.html

bizgate.nikkei.co.jp/series/007620/index.html

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