植樹は金になる?SDGsの新しい市場

2018-02-05 09:08 am

植樹と言えば、環境面での社会貢献活動の代表格です。週末に社員が参加して植樹するのは、社員のメンタル面やチームビルディングにも効果があると思います。また、イオンは、植樹活動を社会貢献の中心に位置づけ、地域のお客さまとともに25年で約1,140万本を植樹していますが、これだけの規模で継続していると、企業のレピュテーション向上に役立っていると思います。サントリーも「水と生きるサントリー」に関連付けて、水源の涵養活動として森林整備を行っており、ブランディングにも結び付いています。このように、植樹にも経営的な意味合いがないわけではありませんが、基本的には、社会貢献活動として、リターンを求めて行っているものではないと思います。

最近、この植樹に関して、「企業の経済的効果に貢献し、投資家や起業家によって好機となっている」とする報告書が出ました。世界資源研究所(WRI)とザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)の報告書「植樹のビジネスーThe Business of Planting Trees: A Growing Investment Opportunity」は、植樹に関連する新しい市場を紹介しています。同レポートで紹介されている植樹市場=Land Restoration Economyのテーマは、テクノロジー、消費財、プロジェクト・マネジメント、商業植林です。

テクノロジーに関しては、植樹の効率を高め、コストを低下させるテクノロジーとそれを推進する企業が紹介されています。BioCarbonは、遠隔地の植樹を行うことに特化したドローンを提供しています。Land Life Companyは、乾燥した土地や劣化した土地でも木を育成するテクノロジーを提供しています。F3 Lifeは、小規模農家が、植樹などで気候に対するレジリエンスを高めることで、クレジットにアクセスできる仕組みを構築しています。

消費財に関しては、森林に優しい商品で差別化するため、植樹活動に関連する材料を用いた商品を提供したり、コーズ・リレーテッド・マーケティングを実施している企業が紹介されています。Guayakíは、植樹により再生された熱帯雨林の原材料を用いてマテ茶を提供しています。アパレル会社のTentreeは、商品が売れるごとに、10本の植樹を行っています。オンライン・リサーチ・エンジンのEcosiaは、利益の一部で植樹を行っています。

プロジェクト・マネジメントについては、政府などが行う森林再生プロジェクトのマネジメントを行う企業が紹介されています。Brinkman and Associatesは、カナダの大規模政府プロジェクトや南米の熱帯雨林プランテーションのマネジメントを行っています。Fresh Coast Capitalは、米国の都市で、大規模な都市再生プロジェクトを推進しています。

商業植林については、劣化した土地を植樹により再生した木材資源によりビジネスを行っている企業が紹介されています。紹介事例には、小規模農家の土地を活用して植樹した資源を集めてビジネスを行っているKomaza、成長が早い竹のプランテーションを整備し木材資源として活用しているEcoPlanet Bambooなどが紹介されています。

このように植樹という社会貢献の代表格と考えられてきた活動に関して、新しい市場が生まれています。日本でも、国産材の活用が注目されており、ビジネスとして取り組む企業も増えていますが、さらに多様なビジネスのポテンシャルがあるでしょう。これらは、SDG13, 15などに貢献する市場でもあります。SDGsへの関心が高まることで、こうした新しい市場創出が促進されていく効果もあるでしょう。

(参考)

www.wri.org/news/2018/01/release-new-report-shows-actually-money-does-grow-trees

www.wri.org/sites/default/files/business-planting-trees_0.pdf

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