SDGs×CSVで地方創生をどう進めるか。

2018-02-19 09:26 am

日本国内では、地方創生×SDGsの取り組みが進んでいます。日本政府のSDGs推進本部がまとめたSDGs実施指針では、「地域活性化」が優先課題に含まれ、各地方自治体に、「各種計画や戦略、方針の策定や改訂に当たってはSDGsの要素を最大限反映すること」を奨励しています。安倍総理も、SDGs推進本部会合で、「関係閣僚が連携して、SDGs達成に向けた地方の取組を促進する施策を検討、実施していくようお願いします。」と発言しています。

こうした流れを受けて、第1回ジャパンSDGsアワードでは、北海道下川町を総理大臣賞に選定されたほか、内閣府によるSDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業の公募が今月始まります。モデル事業では、10件程度の地方公共団体が選定され、1件あたり4,000万円の補助があります。

国土交通省の支援を受けて、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構がまとめた「私たちのまちにとってのSDGs(持続可能な開発目標)-導入のためのガイドライン-」では、自治体がSDGsに取り組むメリットとして、次の6つを挙げています。(1)すべての住民のQOLの向上、(2)自治体固有の背景を踏まえた独自性のあるまちづくりの推進、(3)経済、社会、環境政策の統合によるシナジー効果の創出、(4)国内の様々な関係者間のパートナーシップの推進、(5)グローバルパートナーシップの推進、(6)SDGsに取り組むことによる自律的好循環の創出。このうち、(3)は、経済政策と社会・環境政策をトレードオフと捉えるのではなく、統合的に捉え複数の効果をもたらすというCSVのような考えです。一方、個人的には、地方創生×SDGsの取り組みでは、(2)と(4)の考え方にもとづく、クラスター構築が重要ではないかと考えています。

上記のガイドラインでは、(2)に関して、「SDGsという世界共通のものさしで、地域の状況を改めて俯瞰すると、今までは見えていなかった地域固有の特長を改めてはっきりと認識することができる」としています。確かに、他の多くの自治体とSDGsに照らして比較することで、特長が見えてくることもあると思いますが、ほとんどの自治体では、すでに自らの特長を認識しているはずです。それをSDGsに関連づけるということでしょう。そして、自らの特長に関連するSDGs旗頭として、国内、場合によっては海外も含め、パートナーシップにより、自らの特長を生かしたまちづくりを行っていくことが大事だと思います。

第1回ジャパンSDGsアワードの総理大臣賞を受賞した北海道下川町は、森林資源が多いのが特徴ですが、SDGsに照らして考えると、森林保全(SDG15)、その持続的利用(SDG12)、バイオマスエネルギーとしての活用(SDG7)がすぐに関連付けられます。そこを軸に、日本政府、企業、専門家などを巻き込みながら(SDG17)、持続可能な森林・エネルギークラスターを創っていくことが考えられます。それが発展すると、森林の健康(SDG3)や教育(SDG4)への活用、林業女子活躍(SDG5)などにつながっていきます。

下川町がSDGsアワードを受賞した内容は、「持続可能な地域社会の実現」をめざし、政府から環境未来都市の選定を受けるなどして、SDGsのコンセプトである、経済・社会・環境の3領域の統合的解決の観点で「①森林総合産業の構築(経済)」、「②地域エネルギー自給と低炭素化(環境)」、「③超高齢化対応社会創造(社会)」などに取り組んできた結果、人口減少緩和や森林バイオマスエネルギーによる地域熱自給率向上などの好傾向が発現しているということです。現在はSDGsを取込んだ「2030年における持続可能な地域社会ビジョン」を策定中で、ビジョンをもとに計画(総合計画、SDGs未来都市計画など)を策定し、具現化のためのプロジェクトを位置付け、多様な主体を巻き込みながら実行していく考えなどが評価されました。SDGsはそうした発想の広がりをもたらします。

このように地域の特長をSDGsと関連付けて旗頭とし、様々なステークホルダー企業を巻き込んでいくのが、SDGs地域創生の王道です。そこに企業を巻き込むには、企業にとっての価値も考える必要があります。そこでは、CSVの考え方が有効です。地域課題と関連する製品・サービスのCSVの実験の場を提供する、原材料供給などで企業のバリューチェーン強化・持続性を共に実現する、地域クラスターと関連する企業と政策的サポートも含め共成長していく、などです。SDGs×CSVは、地方創生のためにも理解しておくべきコンセプトだと思います。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

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