オープン・イノベーションとサステナビリティ

2012-05-21 10:24 am

数年前から企業のR&Dに関し、“オープン・イノベーション”という言葉が良く聞かれます。オープン・イノベーションとは、「企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造すること」と定義されますが、大学や他企業などとの共同開発だけでなく、より広く社外のアイデアを募り活用するものです。

このオープン・イノベーションの成功企業として有名なのが、P&Gです。P&Gでは、オープン・イノベーションのことを“コネクト・アンド・ディベロップ”と呼んでR&Dの中心に据え、グローバルで幅広く展開しています。

分かりやすい例としては、ポテトチップのプリングルズにキャラクターを印刷するというアイデアを実現するため、インクジェット・プリンター・メーカーと共同開発するのではなく、グローバルに社外から広くアイデアを募り、イタリアの大学教授が経営する小さなパン屋の持つ技術を活用したという事例などがあります。

最近、ユニリーバが、サステナビリティ領域で、このオープン・イノベーションの新たな取り組みを始めました。

ユニリーバについては、サステナブルな社会構築に向けた2020年ビジョン“サステナブル・リビング・プラン”をこのブログでも取り上げていますが、このビジョンの実現に向けて、オープン・イノベーションを活用しようとしているようです。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=175

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=307

ユニリーバは、ホームページ上で、

・     「貧困状態にある人々への安全な飲み水の提供」に向けて、「1リットルあたり1セント以下できれいな水を製造する」ための技術やアイデア

・     「商品パッケージの大幅削減」に向けて、「多目的に使え、軽量で、低コストのパッケージを実現する」ための材料やデザイン

・     「洗濯時の温室効果ガス排出や水利用の削減」に向けて、「低温や少ない水で十分な洗浄力を発揮する」ための技術やアイデア

・     「食品の塩分削減」に向けて、「ナトリウムなしで塩味を実現する」ための成分や方法

など、10項目について、具体的な技術やアイデアを募集しています。

この取り組みは始まってまだ2ヶ月しか経っておらず、まだ成果は見えていませんが、個人的には、筋の良い取り組みだと思っています。

「ポテトチップにキャラクターを印刷するため」よりは、「世界の貧困状態にある人々に安全な飲み水を提供するため」のほうが、研究者などの関心を集めやすいし、協力しようというモチベーションも上がるでしょう。

ユニリーバは、世界中の研究者の協力を得て、サステナブル・リビング・プランを実現し、企業としても成長しようとしています。それが、Creating Shared Value実現のためのシナリオです。

(参考)

「P&G:コネクト・アンド・ディベロップ戦略」(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2006.8号)

www.greenbiz.com/blog/2012/03/29/why-unilever-placing-its-sustainability-bets-open-innovation

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