CSVは、社会を良くしたいという思いを生かす

2018-05-09 11:23 pm

前回のマイケル・ポーター講演2018では、ポーター教授は、「社会課題にビジネスで対応すべき。ビジネスには利益が必要。利益があるからこそ、持続可能でスケールできる!」「CSVは、単に良いことをするのではない。戦略だ!」と、儲からないものは、CSVではないというニュアンスで、いつもどおり強調していました。

この儲けを強調するところが、サステナビリティの世界でアレルギーを持つ人がいる理由なのですが、CSVに関心を持つ人は、ともすれば社会課題解決のためには、採算度外視でも取り組むべきだとなりがちなので、敢えて利益を強調しているのだと思います。利益が伴わなければ、持続可能でないし、ビジネスリーダーや投資家の本質的関心も引かないという信念に基づくものだと思います。

一方で、CSVの実態は、儲かっているものもありますが、多くは、長期的な視点から企業経営に必要なものとして、財務的利益だけではない観点から行われており、社会価値を重視したものもあります。SDGsへの取り組みなどもそうですが、持続可能な社会の発展のために、企業として必要な役割を果たす必要があるが、そのためには、経営と統合した形で推進していく必要があるという考えで、CSVを進めているビジネスリーダーも多く存在します。

今回のSummitでも、CSVの初期からのサポーターであるベクトン・ディッキンソン(BD)の上級副社長が、「ポーター教授は、CSVは良いことをすることではないと言っていたが、CSVは明らかに良いことをすることだ。この点については、同意できない」と述べていました。自社の経験からしても、良いことをしたいという意思、意欲が、CSVを強く推し進めるということです。BDでは、クロスセクターのコラボレーションによる途上国の医療事情の改善などのCSVが広く行われており、それらの多くは、フィランソロピーやCSR活動から始まっています。

今回のSummitの冒頭で、マーク・クラマー氏が、130年前にアンドリュー・カーネギーが、「ビジネスが社会の福祉を考えるのは間違いだ。ビジネスは競争に勝ち利益をあげることのみを厳格に追求すべきだ。社会に貢献したければ、大金を稼いで慈善活動をすれば良い」と言ったことから、社会価値と企業価値は相反するという考えが広まった。CSVは、その固定観念を破り、社会価値と企業価値は両立するという、見過ごされてきた機会を追求するものだとしていました。

CSVは、そのように新たな視点を提供することで、資本主義の力を活かしつつも、資本主義の問題を改善していくものです。一方で、本質的には、視点だけでは十分でなく、ビジネスパーソンの意識も変えていく必要があります。そのためには、BDの上級副社長が言っているように、CSVは、社会を良くしたいという思いを、ビジネスで生かすものでもあるべきです。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

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