CSV/シェアード・バリューの旅

2018-06-07 02:11 pm

今年のShared Value Leadership Summitでは、ジャーニー(旅)という言葉が良く聞かれました。CSV/シェアード・バリューに意識的に取り組む企業は増えていますが、CSVの取り組みがすぐに企業にとっての財務的成果や社会の変化を生み出すかというと、ほとんどの場合、そう容易なものではありません。2011年のCSV論文から7年が経ち、様々な取り組み事例が出てきていますが、CSVを全社的・体系的に進めていくのは、長い旅(ジャーニー)であるということが分かってきています。

今般のSummitでマイケル・ポーター教授が、CSVの旅路を歩んでいる企業の例として挙げていたのは、ウォルマートです。このブログでも書いていますが、ウォルマートは、従業員の労働条件の悪さ、サプライチェーンにおける人権問題、ウォルマート出店による地域コミュニティの崩壊などに対する批判の高まりを受けて、2004年頃からサステナビリティに配慮した経営を推進しています。その後、CSVの考えも取り入れ、様々な取り組みを進めています。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=169#.Wxh1zUxuJdg

マイケル・ポーター教授のプレゼンでも、製品サービスのCSVとしての、健康・オーガニック食品の提供、地域に根差した小規模店舗の展開、銀行の融資を受けられない家族向け低コスト金融サービス、低所得で保険のない家族向け低コスト店舗内診療所など、バリューチェーンのCSVとしての、地元からの調達、エネルギー、水、パッケージ、廃棄物削減プログラム、従業員のトレーニング、キャリアパス、健康プログラムの提供など、ビジネス環境のCSVとしての、サプライヤーとのサステナビリティ促進に向けたコラボレーション、流通業界の労働力育成に向けたコラボレーションなどが紹介されていました。

なお、今年のSummitでは、医療保険会社ヒューマナのCSVの旅についても紹介されていましたが、最近、ウォルマートとヒューマナの関係深化の報道が出ています。CSVの旅を進める企業同士は、コラボレーションもしやすいと思います。

日本でCSVの旅を進めている企業としては、キリングループがあります。キリングループの人に聞くと、「うちはまだまだ」と答えますが、健康、環境、サプライヤー育成、地方創生など、着実に取り組みを進めている印象があります。ネスレなどと比較すると、確かに取り組みは小粒な印象はありますが、CSVの旅を続けることは、長期的な競争力に必ずつながるはずです。

私を含むCSV支援側でも、CSVの旅の道しるべとして、考え方やフレームワークを提示して、多くの企業がCSVの旅を円滑に進められるよう支援していきたいと思います。今回のSummitでも、Purpose、Practice、Peopleから構成されるCSV企業のフレームワークが提示されていました。この内容などは、また次回以降紹介します。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

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