フリーのCSVモデル?値札のないスーパー

2018-07-12 12:02 pm

世の中には、タダのものは沢山あります。1つ買うと、2つ目はタダといった売り方は良くありますし、グーグル検索や民放TV番組は、タダです。男女の出会いの場では、女性がタダといったケースもありますし、スーパーの試食や無料サンプルもあります。ウェブ上では、スマホの無料ゲームなど、多くのサービスが無料です。

このフリーのビジネスモデルは、「直接的内部相互補助」「三者間市場」「フリーミアム」「非貨幣市場」の大きく4つに分類されています。「直接的内部相互補助」は、同一顧客に対して、特定の商品・サービスを販売するために、他の商品・サービスを無料にするものです。1つ買うと、2つ目はタダもそうですし、製品をタダで配って、サービスや消耗品で儲けるといった方法などがあります。「三者間市場」は、ある顧客グループが別の顧客グループの費用を賄うもので、グーグル検索や民放が広告収入で賄われているのが典型ですし、女性を無料とした分を男性が支払うのもこのモデルです。「フリーミアム」は、一部の有料顧客が他の顧客の無料分を負担するもので、スマホゲームなどがそうです。スーパーの試食や無料サンプルも実際に購入する人が負担するということで、ここに当てはまるでしょう。「非貨幣市場」は、ボランティアのサービスで、名誉ややりがいなどがインセンティブとなるものです。

このフリーの考え方を世に広めた、クリス・アンダーソン著「フリー」の中で、私が気に入っているストーリーが、レディオヘッドが、アルバム「イン・レインボウズ」の値段を購入者自身に決めさせたというものです。アルバムの販売をオンライン配信のみで行い、購入者に払いたい金額を決めさせた結果、平均価格は6ドルでした。このアルバムは、世界で300万枚を売り上げ、レディオヘッドのアルバムの中で、最も商業的に成功したものとなりました。その後発売したCDや豪華版ディスクボックスも売れ、アルバム発売後に行われたツアーも大盛況でした。これは、純粋なフリーのビジネスモデルではありませんが、中には、クリス・アンダーソン氏のようにタダでアルバムを入手する人もいて、それを他の人が負担するという意味では、フリーミアムに含めても良いでしょう。

このタダではないのですが、顧客に自由に商品の価格を決めてもらうという方法を導入するスーパーがカナダに登場しました。トロントにオープンした「値札のないスーパーマーケット」では、野菜、総菜、ペットフードなど、あらゆるものの値段を顧客が決めます。

ideasforgood.jp/2018/07/05/feed-it-forward/

このスーパーは、フリーミアムモデルのように見えますが、販売されている商品は、すべて、他のスーパーやレストラン、食品工場、野菜ファームから寄付されたもので、「非貨幣市場」の要素も取り入れています。見た目が悪いもの、賞味期限が近いものなどを寄付してもらっているようです。そして、食品廃棄を削減するとともに、貧困層に食物を提供しようとしているようです。基本的には、社会貢献が主目的ですが、一定の収益があがるようであれば、フリーのCSVモデルの優良事例となるでしょう。

(参考)
「フリー」クリス・アンダーソン著(NHK出版、2009年)

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

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