ブロックチェーンによるカーボンフットプリントの可視化

2018-08-01 11:26 pm

仮想通貨ブームは、少し落ち着いたように思いますが、その基幹技術であるブロックチェーンへの注目は、益々高まっています。私も何度がブログに書いていますが、サプライチェーンのトレーサビリティ、再生可能エネルギー取引など、ブロックチェーンのサステナビリティ領域での活用も始まっています。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=3223#.W1wS9_ZuJdi

カーボンフットプリントの可視化においても、ブロックチェーンの活用が注目されています。気候変動の取り組みは世界的に進んでおり、世界銀行によれば、40の国と20以上の都市で、キャップ&トレードやカーボンタックスを含むカーボンプライシングがすでに導入されているか、今後すぐに導入される予定で、温室効果ガス排出の13%が、カーボンプライシングでカバーされています。そうした中で、カーボン排出量や取引を可視化することが重要な課題となっていますが、ブロックチェーンが解決策となる可能性があります。

こでまで、サプライヤーから消費者までのバリューチェーン全体でのカーボン排出は、各社の自己申告に基づいていますが、ブロックチェーンにより、関係者がカーボン排出を同時に共有することが可能になります。ブロックチェーンは、3つの方法で、カーボンフットプリントを可視化します。

1. カーボン排出のトラッキング
カーボンは、製品の使用段階など、企業活動の枠を超えて排出されます。これを測定するのがスコープ3ですが、バリューチェーン全体のカーボン排出を精緻に測定し、カーボン排出削減の取り組みを効果的に行っていくのは、まだまだ課題となっています。この課題をブロックチェーンで解決します。最近では、スターバックスが、コスタリカ、コロンビア、ルワンダのコーヒー豆をブロックチェーンでトラックし、コーヒーの消費者とコーヒー農家をつなげています。ユニリーバ、ネスレ、タイソン、ドールなども、同じようにサプライチェーンを可視化しています。BHPビリトンは、マイニングプロセス全体のデータをトラックし記録するためにブロックチェーンを活用するとしています。

2. サプライチェーンのトレーサビリティとバリューチェーンの可視化
ブロックチェーンは、バリューチェーン全体で、カーボン排出とクレジットを透明に測定し、トラックし、トレードすることを可能にします。再生可能エネルギーの証明書は、ブロックチェーンの応用が有望視されている領域です。どこで、いつ、誰が電力を創り出したかなどのエネルギーに関する情報を共有し、グリーン電力の取引を容易にします。再生可能エネルギーの取引に関しては、すでにSwytchなどのブロックチェーンが存在します。また、IBMとエナジーブロックチェーンラボは、協働して中国で、カーボン取引のブロックチェーンプラットフォームを構築しています。

3. 消費者とのエンゲージメント
消費者としての我々の選択は、カーボン排出に影響しますが、これまでは、モノの購入においてカーボンフットプリントを把握する方法は限られていました。10代後半の消費者の72%が環境面、社会面で責任を果たしている商品やサービスを購入する場合は、追加の費用を支払うとしていますが、こうした高まるニーズに応えられていませんでした。アント・フィナンシャルは、消費者がカーボンフットプリントをトラックできるアプリを提供していますが、アント・フィナンシャルの4.5億人のユーザーの半数が9カ月の間にこのアプリに参加したとのことです。ブロックチェーンを用いたカーボンフットプリントを可視化するインフラを構築することで、消費者と一緒になって、エネルギー分野での本質的価値を生み出せる可能性があります。

(参考)

www.sustainablebrands.com/news_and_views/next_economy/vincent_manier/blockchain_will_make_carbon_visible_everybody

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

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