政策が急速に動く、フォーカシングイベントに備えよ!

2018-10-29 09:06 am

先日のブログで、海洋性プラスチックが、何故急速に注目され、政府、企業の取り組みが進んだかについて、書きました。「魚を通じて、自分の体内にも入っているかも知れない」、「自分がいつも沢山廃棄しているプラスチックが原因になっている」など、消費者が「自分ごとにしやすい」ことに加え、意見の対立や業界の反対が大きくなく「政府として取り組みやすい」、企業経営への影響がそれほど大きくないため「企業として取り組みやすい」というムーブメントになりやすい条件が揃っていた中で、背景がある中で、鼻にストローが刺さったウミガメが苦しむ動画などがきっかけとなり、一気に注目され、取り組みが進みました。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=3575#.W9P27vZuJdg

2018年は、海洋プラスチック問題が急速に注目されましたが、2017年は、欧州主要国で、2030年または2040年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止する方針が示されるなど、急速に自動車の脱化石燃料化の動きが進みました。自動車産業という政治力のある業界に影響を及ぼすものですが、フォルクスワーゲンのディーゼル不正問題を受けて、欧州自動車メーカーが、ディーゼル車でCO2規制に対応する戦略が狂いEVシフトを進めざるを得ない状況になったため、各国もその方向に動きました。これは、気候変動対策、脱化石燃料という、対応が必要ではあるが、業界への影響が大きい課題について、ディーゼル不正というイベントがきっかけとなって、一気に動きが加速したものです。

気候変動については、最近は、各地で高温の日が続いたり、大きな災害が起こったりと、世界中で、市民が自分に影響するという意味で、「自分ごと」と感じやすい状況になっています。一方で、温室効果ガスは、使い捨てプラスチックのように触れて、自らの意思決定が課題に直結している感覚を持ちやすいものではなく、自分の行動が影響するという意味で「自分ごと」と感じるのは難しい課題です。前述のように、業界の政治力も強いため、海洋プラスチックに比べると、政府として対応が難しい課題です。そのため、政府が取り組みを一気に進められるは、ディーゼル不正など政策を後押しするイベントがあったときです。

カリフォルニアでは、2017年、2018年と連続して、気候変動の影響とみられる史上最大規模の山火事が発生し、大きな被害が出ています。リベラルなカリフォルニア州は、政治的に気候変動対応がやりやすく、また、シリコンバレーは、気候変動を新たなイノベーションの機会と見ています。そうした気候変動対応がしやすい状況の中で、大きな被害を伴う山火事というイベントが発生し、カリフォルニア州知事が、2045年までに州の電力を100%CO2を発生しない発電とする法案に署名しました。

欧州のディーゼル規制やカリフォルニア州の山火事など、急速に政策が進むきっかけとなるイベントをフォーカシング・イベントと言います。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=2232#.W9QCCPZuJdg

政府や市民セクターは、こうしたイベントを政策実現のためにうまく生かすべきですし、企業は、社会課題をめぐる力学や現状がどうなっているかを常にウォッチし、イベントの発生と政策の急速な変化に備えておくべきです。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

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