気候変動の取り組みを進めるマネジメントの考え方

2018-11-07 08:19 pm

気候変動は、人類が直面している最大の課題の一つです。パリ協定など、政府レベルでの取り組みも進められていますが、米国政府の対応に一番顕著に見られるように、様々なステークホルダーに影響を受ける政府依存では、気候変動問題は解決できないでしょう。温室効果ガスの排出に大きな影響力を持つ民間企業の取り組みが求められます。

民間企業の自主的な取り組みも、SBTやRE100などへのコミットメントをはじめ進んでいますが、まだ、大部分の企業のマネジメントは、気候変動への取り組みの必要性は認識していても、多大なコストはかけられず、足元の経営課題に追われていることもあり、どのような考えで気候変動に取り組むべきか、迷っているでしょう。

一方で、世界的には、企業の取り組みは着々と進んでいます。そうした状況で、気候変動に強くコミットする世界の企業のマネジメントがどう考えているかは、日本企業のマネジメントにも参考になるのではないかと思います。

インドのセメント業界のリーダーであるダルミア・セメントは、世界で最もCO2排出が少ないセメントを製造しています。また、RE100とEP100に加盟して再生可能エネルギー100%とエネルギー効率倍増にコミットし、SBTにもコミットし、2040年までにカーボン・ネガティブを実現するビジョンを掲げています。ダルミア・セメントCEOのメヘンドラ・シン氏は、「2040年までにカーボン・ネガティブは実現可能だが、そのためには、多くの努力と多くのコラボレーション、そして多くの失敗を受け入れることが必要となるだろう。これにより、我々は、リーダシップを発揮し続け、多くのプレーヤーを惹きつけ、多くの新たなテクノロジーを世界に提供することができる」と述べています。

イケアは、RE100を主導し、EV100に加盟した最初の企業の一つですが、アムステルダム、ロスアンジェルス、ニューヨーク、パリ、上海の5都市で、2020年までに家庭への配送をすべてEVまたはカーボン排出ゼロの輸送手段で行うことにコミットしています。また、2025年までには、これを世界中に広げることを計画しています。イケアCEOのイェスパー・ブロディーン氏は、「気候変動の影響は明らかで、すでに脅威ではなく、ビジネス、顧客、従業員に日々影響を与える現実である。そのため、行動をステップアップすべく懸命に努力している。」と述べています。なお、イケアについては、下記のCSOの言葉も参考になります。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=3032#.W909O_ZuJdg

米電力大手NRGは、顧客の脱炭素化を支援するため、2030年までにカーボン排出を50%削減するという目標を掲げ、再生可能エネルギーの容量を増やしています。NRGエナジーのサステナビリティ担当副社長ブルーノ・サルダ氏は、「我々は、電力セクターの未来の一部になることにコミットしている。我々の顧客は、個人も企業も脱炭素を見据え、サステナブルで、レジリエントで、経済的に実行可能なソリューションを求めており、我々はそれにコミットしている。気候変動に向けた行動は、NRGが市場にイノベーティブなソリューションを提供し、顧客の現在と未来のニーズに応え、企業を強くし成功を導く。そして、優れた人材を惹きつけ、維持することができる。」と述べています。

リーバイスは、パリ協定実現への貢献に加え、自社のサプライチェーンを気候変動の影響から守るため、野心的に気候への取り組みを進めることが重要だと認識しています。リーバイスは、2020年までにカーボン排出を25%削減するという目標をすでに達成し、2025年までにグローバルでスコープ1、2のカーボン排出を90%削減し、サプライチェーンにおけるスコープ3のカーボン排出を40%削減することにコミットしています。サステナビリティ担当副社長のマイケル・コボリ氏は、「気候変動は、原材料のコットン生産に影響を及ぼします。また、我々の多くのサプライヤーは、途上国の沿岸地域にあり、海面上昇の影響を受けます。」と、気候変動への取り組みが、サプライチェーンを維持するために重要だと語っています。

この他、気候変動への野心的な取り組みが、イノベーションを促進し、優秀な人材を惹きつけ、企業を長期的な成功に導くと、多くのマネジメントが語っています。日本企業のマネジメントでもこうしたことを語る人はいますが、本気で信じて、本心でビジョンを掲げ、行動することが重要です。

(参考)

www.greenbiz.com/article/6-leading-companies-raising-climate-ambition

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csv-jp.org/related_info.html

bizgate.nikkei.co.jp/series/007620/index.html

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