地方と都市のシェアード・バリューをどう実現するか?

2018-11-26 09:13 am

地方創生は、日本の主要課題です。最近はSDGsと絡めて、地方創生を進めるといった流れもあります。また、様々な社会課題の中でも、地方創生に魅力を感じている人は年代を問わず多いように思います。中でも若者の関心は高く、20代では都市住民の70%が地方に移住したい、してみたいと考えているというデータもあります。実際に地方に移住する人も増えている印象があります。

しかし、全体としてみれば、地方から都市へという人口の流れを大きく変えるのは、難しいでしょう。私自身もそうでしたが、地方の若者は、都市に魅力を感じます。都市には、人材、機会、富、情報などが集中しています。ICTが発達した現在は、地方にいても十分な情報や機会が得られるのかも知れませんが、都市の魅力は抗いがたいものです。世界的に見ても、1950年代に全体の30%程度だった都市人口は、現在50%を超え、2050年には70%程度になると予想されています。

一方で、現在の地方創生は、ふるさと納税などもそうですが、都市から地方へ人や富を移転しようという発想が中心になっているように感じます。しかし、都市のほうも、世界的な都市間競争もあり、魅力を高める必要があります。日本国家としては、地方創生も都市の発展も両方実現することが求められます。まさに、地方と都市のシェアードバリューが求められています。

地方と都市のシェアードバリューをどう実現するか?基本は、強みを活かし合う、足りないものを補い合う、課題と解決策を結節するといったことになるかと思います。

三菱地所グループがNPOと連携して行っている農山村と都市の交流活動である「空と土プロジェクト」では、過疎化が進む山梨県の農山村に三菱地所グループ社員とその家族、大手町・丸の内、有楽町エリアの就業者とその家族などが参加し、農作業などを実施しています。また、三菱地所ホームによる山梨県の森林資源の活用、丸の内シェフの山梨県産食材の活用支援、マンション住民による農作業等の体験ツアーなどを実施しています。これは、足りないものを補い合う活動で、人材が不足して高齢化、離農、行政サービス低下などが進む地方を都市の人材がサポートし、一方で、温かみのある人とのふれあい、自然体験などが不足する都市の人材に、ストレスを解消し心身を健康にする機会を提供します。さらには、地域の産品を活かして、丸の内エリアの魅力を高めるという、強みを活かしあう要素もあります。

最近、地方で自動運転やドローン物流などの実証実験が行われていますが、過疎化など課題が深刻化する地方で、解決策の実証実験を実施し、さらにそれが実装されれば地方の発展につながります。また、そうした新しいテクノロジーが発展すれば、都市を含む日本の競争力が高まります。課題と解決策の結節イメージですね。

こうした地方と都市のシェアードバリューは、まだまだ考えられると思います。地方創生は、ついわが町のことだけを考えがちになりますが、都市や他の地方との富や人材の奪い合いではなく、WIN-WIN関係を構築するという視点を常に持つことが重要です。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

csv-jp.org/related_info.html

bizgate.nikkei.co.jp/series/DF260320183652/

CSV戦略ポテンシャル診断サービス
「CSV戦略ポテンシャル診断」サービスページ

コメントを書く







コメント内容


Copyright(c) 2012 Cre-en All Rights Reserved.