2018年のトップ10サステナビリティトレンド:企業の社会変革活動のメインストリーム化

2018-12-25 09:30 am

2018年も終わりが見えてきました。これから、今年を振り返る記事などがいろいろ出てくるでしょう。サステナビリティに力を入れる米国PRエージェンシーのコーンは、今年は、企業の従業員が、#MeeTooに関連する性暴力撲滅運動#TimesUpや銃規制を訴える抗議デモ” March for Our Lives”などの社会運動に参加するなど、社会や企業の変革を訴えるようになったことを受けて、企業が社会的正義に向けた活動を進めることがメインストリームになったとしています。また、投資家がサステナビリティを企業に要請し、その波及効果が全産業に広まったとしています。そして、以下を今年のトップ10トレンドとして挙げています。

1.社会的正義のメインストリーム化
パタゴニアやベン&ジェリーズなど、従来から社会的正義を訴えかけてきた企業だけでなく、ナイキが人種差別に抗議してNFLを追放されたコリン・キャパニック氏を「Just do it」の30周年を記念して開始したキャンペーンに起用する、リーバイスCEOが銃規制を支援するなど、企業が社会的正義をメインストリームのキャンペーンで訴えるようになりました。

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2.広告の力で偏見をなくす動き
広告業界は2017年から広告の力で偏見をなくすためのアライアンスを組んでいますが、今年はそれが効果をあげました。GAPの公共の場での授乳を応援する広告は称賛され、アップルはオーストラリアで同性結婚の場面をシェアする広告で結婚の平等を祝い、バービーは少女が自分の可能性を制限しないよう両親を教育する印象的なビデオを提供しています。

3.従業員アクティビズムの広がり
従業員の企業に対する見方が厳しくなり、ナイキの女性従業員が会社を性的差別で訴える、グーグル従業員がセクハラ幹部優遇への抗議運動を起こすなど、従業員が行動を起こす動きが広がっています。

4.ビジネスが政治的行動を促進
ビジネスは政治と距離を置くのがこれまでの常識でしたが、最近は、ブランドが政治論争に口を出すようになっています。従業員が移民に対する適切な措置を政権に訴えかけるために休暇を与える企業、顧客に銃規制を訴える手紙を政策担当者に送るためのテンプレートを提供する企業などがあります。

5.アクセシビリティの加速
ダイバーシティやインクルーシビティ促進の動きの中、企業は製品やサービスを障がいの有無にかかわらずすべての人が楽しめるようにしようとしています。マイクロソフトはXboxの障がい者向けコントローラーとパッケージを提供し、障がい者が購入時からゲーム体験を楽しめるようにしています。

6.産業にゲームチェンジを起こすリーダーシップ
最近の気候変動に関する報告は、迅速な行動を求めています。それを受けて、大企業がゲームチェンジを起こし産業を変えようとしています。スターバックスは、競合やパートナーに先んじて使い捨てストロー廃止にコミットし、業界を変えようとしています。北米ダノンは世界最大のBコープとなり、社会的目的を追求するのに規模や株主は制約にならないことを証明しました。

7.革新的な透明性の追求
透明性の追求は新しいものではありませんが、2018年は、企業が消費者やステークホルダーを巻き込むアグレッシブなアプローチをとるようになりました。マークス&スペンサーは、農業サプライチェーンの抗生物質使用を詳細に情報開示する英国初のスーパーマーケットチェーンとなり、競合も同様に情報を開示し、その結果抗生物質使用を減らすことを促しています。実際、競合のウエイトローズもすぐに同様の情報を提供することを発表しました。

8.投資家が期待を大きく高める
年初のブラックロックCEOラリー・フィンク氏のレターからはじまり、多くの投資家が、企業が社会・環境課題に取り組むよう、その力を発揮しました。投資家のプレッシャーの結果、シェルはエグゼクティブの報酬を自社のカーボンフットプリントと関連づけることを発表しました。ヘッジファンドのジャナ・パートナーズと年金ファンドのカルスターズは、アップルに子どものスマホ中毒対策を求めています。

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9.プラスチックがサステナビリティのスローガンとなる
今年は、ナショナルジオグラフィックの海洋プラスチック特集などをはじめ、グローバルでプラスチック危機が注目されるようになりました。その結果、多くの企業が使い捨てプラスチック削減にコミットしました。

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10.企業が社会的ムーブメントをサポート
冒頭の”March for Our Lives”や” Women’s March”などの社会運動が広がる中、企業が専門性や資産を用いて草の根運動をサポートしようとしています。“March for Our Lives”に対しては、Lyftが無料の移動を提供し、ThinkFoodGroupやEatwellが無料の食事を提供し、グッチが資金的支援をしています。#TimesUpに対しては、eBayなどがキャンペーンでサポートしています。

コーンの2018年のトップ10トレンドは、米国のPR会社の視点が強いですが、投資家の社会・環境問題への関心、プラスチック廃棄の問題に加え、ビジネスが社会・環境問題に関心を持ち自社ならではの取り組みを進めるというのは、世界的なトレンドとなっています。企業の社会における役割が変化する中、その動きをリーダーとして牽引するか、現在のパラダイムをひきずり変化に後追いで対応するか、経営者のみならず、個々のビジネスパーソンにも問われています。2019年、皆さんはどう考えどう行動しますか?

(参考)

www.triplepundit.com/2018/12/a-year-in-purpose-the-top-10-trends-of-2018/

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