2019年、CSVをどこから始めるか?

2019-01-10 09:38 am

企業と社会課題との関係は、良く負の外部性の問題として語られます。企業活動が社会・経済に対して負の影響を与え、それが社会課題となっています。通常の経済活動においては、そうした負の影響に対して対価は求められないため、経営側は社会課題に取り組むことをコストと考えます。外部不経済の代表的事例として環境問題が語られてきたせいもあるのか、ビジネスパーソンは、環境問題などの社会課題に対応することは、儲からないという固定観点を持っています。

確かに、儲かることなら誰かがすでにビジネスとして取り組んでいるはずなので、「それが社会課題として残っているのは、ビジネスとしては儲からないからでしょう」というのは、一つのロジックです。

ビジネスとしてもうからない社会課題をどう解決するか、従来は、政策的対応が中心でした。企業は、社会課題解決が必要であれば、市場全体に適用されて競争力に影響しない、外部性を内部化するような政策をとって欲しいと要求します。しかし、一方で、影響力のある企業がロビイングなどで、自社の競争力を弱めるような政策がとられないようにすることもあり、必ずしも適切な政策がとられるわけではありません。

市民セクターに頼るという考えもあります。心ある市民の自発的な活動、そうした活動を金銭的な寄付などを通じてサポートすることにより社会課題を解決することも重要です。企業がそうした活動を支援するフィランソロピー活動も広がっています。しかし、市民活動、企業のフィランソロピー活動による社会課題解決力には限度があります。

そこでCSRという考えが登場してきました。企業は自らの事業活動が社会・環境に与える影響に責任を持つべし、企業活動の負の外部性に対して責任を持つべし、という考えです。CSRに対しては、様々なガイドラインなどができ、企業がCSRとして取り組むべき社会課題についての共通認識ができつつあります。しかし、そうした活動に対してどれだけコストをかけるべきか、どれだけの成果をだすべきかが曖昧なため、企業としては、批判されない程度、競争力に影響しない程度の取り組みとなりがちです。また、自らの事業活動の影響とは直接的に言えない社会課題については、社会的責任として対応するインセンティブは働きません。

次に登場したのがCSVです。ちょっと待てよ、社会課題への取り組みがもうからないというのは本当か、やりようによっては儲かるのではないか、という考えです。現在の資本主義のシステムにおいて、まだまだ現在の社会課題を解決することが可能ではないか、という考えです。冒頭の「儲からないから社会課題として残っているのではないか」という疑問に対して、「誰もやっていないからこそ、イノベーションの機会だろう」という、ある意味ポジティブな考え方です。実際、テクノロジー、ビジネスモデル、あるいは人々の意識の変化により、社会課題解決イノベーションの機会は増えています。それをつかみ取ろうという意識は重要です。ただ、そんなに簡単なことではないだろう、というハードルが高い印象があるのがCSVの課題です。

という訳で、CSVも簡単でないのは重々承知ですが、まずは、ポジティブ思考が重要ですかね。実際イノベーションを起こせと言われると簡単ではないでしょうが、ちょっとしたCSVは、どの企業でもまだまだ出来ることがあります。そこからスタートして意識を高めていくというのも大事です。

※CSV推進にご関心のある方は、以下までご連絡下さい。
mizukami@cre-en.jp
参考CSV情報

csv-jp.org/related_info.html

bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO2856747026032018000000?page=5

bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO2856746026032018000000

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