ESG投資には本質的・能動的に対応すべき

2019-03-04 08:39 am

米電力大手PG&Eが本年1月29日に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請して1月が経ちます。PG&Eが破産申請したのは、2017年、2018年に発生した山火事の責任を追及されており、賠償金の支払いなど将来300億ドルの債務を抱える可能性があるためです。

2017年の大規模な山火事では、86人が死亡、建物1万8800棟が消失したとされています。この山火事の原因の一つに、PG&Eの送電設備の不具合による出火があると指摘されており、莫大な損害賠償が求められています。山火事が悪化したのは、温暖化により乾燥が進んでいたためだという考えもあり、PG&Eは「気候変動による最初の犠牲者」とも言われています。

一方で、PG&Eは、バンガードやブラックロックなど有力運用会社が投資しているインデックス評価の優等生で、ESGでも高い評価を得ていました。現在のESG評価では、温室効果ガスの排出量開示や削減に向けた取組みが重視されており、再生エネルギーの積極的活用などを示していたPG&Eは、評価が高くなっていました。

これまでも、ESGインデックスで高い評価を得ながら、ESG関連で問題を起こす企業はありました。インデックスの評価が高いだけでは、ESGの観点で安心して投資できる企業とは必ずしも言えないということです。GPIFが「ESG評価については歴史が浅いこともあり、その評価手法について は、現時点でスタンダードとなるものは確立されていない」と言っているように、ESG評価、ESGインデックスは発展途上で、これからどんどん進化していくでしょう。まずは、TCFDの影響もあり、PG&Eで問題になった気候変動リスクへの対応について、評価が進化していくでしょう。

GPIFがESGインデックス評価の高い300程度の企業に3兆円を投じることとしており、ESGインデックスで良い評価を得ていれば100億円以上の長期安定株主が得られるという分かりやすいメリットもあり、最近はESGインデックスで高い評価を得ようと、主要ESG評価機関の考え方に基づき、情報開示を工夫したり、(形式的に)方針を策定したりする企業が増えています。

しかし、ESG評価機関の考え方もどんどん進化していくと想定される中、インデックスの評価項目に受身で対応しているだけでは、不十分です。インデックスの考え方、その背景となるESG関連の動きなどを理解し、それに形式的ではなく本質的、受動的ではなく能動的に対応していくことが望まれます。さらには、ESG評価機関を先回りして本質的に重要なESG課題に対応し、それがインデックス評価に反映されるようになれば、ESG先進企業と言えるでしょう。

(参考)
「災害リスク軽視、損失招く」日本経済新聞2019年3月1日朝刊

www.zaikei.co.jp/article/20190124/490595.html

参考CSV情報

csv-jp.org/related_info.html

bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO2856747026032018000000?page=5

bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO2856746026032018000000

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