未来をつくるリーダーシップ ユニリーバCEOインタビュー

2012-10-11 08:43 am

今月のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューにユニリーバCEOポール・ポールマンのインタビュー記事が載っています。ポールマンの言葉で、印象的なものを以下に示します。

なお、ユニリーバの意欲的な長期計画であるサステナブル・ビジネス・プランに関しては、本コラムでも過去に取り上げていますので、下記をご参照下さい。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=175

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=307

【ポール・ポールマンの主な言葉】

「サステナブル・ビジネス・プランに乗り出すにあたっては、人口や資源など世界の大きな潮流について考えました。そして、『社会や環境から奪うのではなく、貢献するようなビジネスモデルをつくれないものだろうか』ということになったのです。」

「世界じゅうの『その他99%』の人たちに、歪みがはっきり表れています。満足に食事も摂れない人がまだ10億人もいます。6秒に1人の割合で子どもが餓死しています。資本主義という形態は世界に大きな進歩をもたらしましたが、すべてを解決したわけではありません。道義心を持ち、社会貢献を正しくビジネスモデルに組み込める企業は成功すると考えています。」

「適切な長期計画を立案するには、社会により近づくために外部性を考慮に入れなければなりません。この考え方をビジネスモデルに組み込み、注意深く計画を立てれば、企業の成長が加速するのは明らかです。」

「当社のブランドはすべて社会的使命、経済的使命、製品としての使命を持っています。この使命をすべてR&Dプログラムに組み込んでいます。調達から工場、消費者へ至るサプライチェーン全体の活動が生む影響を測定することに、膨大な時間を費やします。」

「我々は長期的な視点を重視した事業環境ができる環境をつくりました。4半期報告をなくしましたし、利益予測も発表していません。報酬制度も長期重視の方向へ変えました。」

「株主価値を生み出すことだけが企業の責務ではありません。他のすべてを犠牲にして株主価値を高めるような近視眼的なビジョンでは、長続きする会社になりません。会社の戦略を支持してくださる株主基盤を惹きつけなくてはなりません。我々は、当社の長期戦略を理解してくれる株主を積極的に探しています。ヘッジ・ファンドには、よそに当たってもらうように伝えています。」

「世界の人口の15%が資源の50%を使うという構造は持続不可能です。解決策の発見に参加しようとしない企業は、社会から孤立するリスクを抱えています。」

「当社をはじめ、さまざまな企業や組織が行った調査から、消費者の無関心というのが過去の虚像となりつつあることがわかります。人々は無関心どころかちゃんと物事を考えており、自分たちのためにならないシステムから排除されていると感じているのです。人々は解決策を求めています。」

「今後数年間、アメリカ政府はもっと国内重視になり、中国とインドの政府は規模の拡大に伴う責任を負おうとはしないでしょう。これは責任ある企業にとって、世のため人のためになるチャンスです。」

以上のような発言から、ポールマン氏が、様々なステークホルダーとの対話などを踏まえた社会の変化を捉えた上で、“長期的視座に立って、社会の役に立つ”企業が成功することを確信していることが伺えます。

ユニリーバは、サステナブル・ビジネス・プランを実現するため、R&Dプロセス、報酬制度、長期計画を実現するためのステークホルダーとの関係構築など、着実に手を打っています。

ユニリーバにとって、サステナブル・リビング・プランは、理想ではなく現実であり、長期的に利益を創出するための戦略です。それを実現するために、ポールマン氏は、強い意志を持って突き進もうとしています。

日本でも、感度の高いビジネス・リーダーは、世界の潮流の変化を感じていると思います。世界の変化を牽引するか、後追いとなるか、今が判断のしどころです。

(参考)

「未来をつくるリーダーシップ」(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2012年11月号)

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