トヨタの米国ヒスパニック市場をターゲットとしたCSV

2013-06-03 08:51 am

米国のヒスパニック人口は5,000万人を超えており、黒人を抜いて最大のマイノリティとなっています。さらに、高い出生率と移民により、将来的には白人を抜いてマジョリティになることも予測されています。また、購買力も拡大しており、先進国にあっては、貴重な成長市場となっています。

トヨタは、この成長市場を攻めるにあたって、米国のヒスパニック・コミュニティの環境意識を高める活動を進めています。ヒスパニック・コミュニティの環境意識を高めることにより、プリウスなどのエコカーの販売を増やし、一方でドライブからのCO2排出を削減しようとしています。

ヒスパニック・コミュニティの環境意識を高めるために、トヨタは、ヒスパニック・コミュニティに影響力のある有名人数名に、プリウスを利用してもらい、環境に配慮したドライブについて情報発信してもらっています。情報発信は、ソーシャルメディアを積極的に活用し、ドライブだけでなく、広くグリーンなライフスタイルについて行われています。

このように、消費者の意識を啓発し、社会に役立つ製品を普及させようとする戦略は、CSV*の3つのアプローチの1つ「クラスター/競争基盤のCSV」の「需要条件の創造」に当て嵌まります。

「需要条件の創造」としては、製薬企業が疾病に関する知識を広げる活動を実施しています。健康食品を販売している企業が、健康的な生活習慣についての知識を広めることなども考えられるでしょう。ユニリーバが途上国で、手洗い習慣を広めるプログラムを推進し、ハンドソープの売上を伸ばしている例もあります。

トヨタは、国内でもアクアのマーケティングにおいて、水をテーマとした環境保全活動をマーケティングに応用し、企業・社会・個人の3社が共に利益を享受していく「共成長マーケティング」を展開しています。これもクラスター/競争基盤のCSVに当て嵌まる活動です。トヨタは、国内で最初にマーケティング戦略において、CSVを意図的、戦略的に実施している企業と言っても良いかもしれません。

これまで多くの企業では、意図せずしてCSVを実践してきているように思います。しかし、企業は、戦略的にCSVを実践することにより、自社にとっても社会にとってもより大きな価値を生み出せるポテンシャルを持っています。トヨタのような企業がそうした視点を持ち始めたことは、CSVが広がる可能性を示唆しており、勇気付けられるものです。

*「CSV(Creating Shared Value=共有価値の創造)」については、以下を参照

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=162

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=319

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=436

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