ビジネスとサステナビリティをどう統合するか?「ビッグ・ピボット」

2016-08-01 09:17 am

アンドリュー・S・ウィンストン著「ビッグ・ピボット」は、ビジネスとサステナビリティを統合するための10の戦略を網羅的に示しています。グローバル企業が中心ですが、事例も豊富で、この領域での戦略描画の参考となる好著です。

何故、ビッグ・ピボットが必要か?ビッグ・ピボットとは何か?については、以下の動画に簡潔に示されています。「暑い・足りない・隠せない」世界、気候変動の影響が大きくなり、需要増加に対して資源が不足し、一方で、企業活動が見える化され丸裸になる世界では、サステナビリティをビジネスに統合するために、大きな方向転換=“ビッグ・ピボット(大転換)”が必要です。

そしてビッグ・ピボットを実現するための具体策として提示されているのが、企業は世界をどう見るべきか(ビジョン・ピボット)、ビジネスにとって何が重要か(バリュー・ピボット)、そしてどう協働するか(パートナー・ピボット)の3つのカテゴリーに分類される10の戦略です。

ビジョン・ピボットの3つの戦略は、長期的な取り組みを可能とするために投資家と戦略的ESGコミュニケーションを実施するなどの「短期利益主義と戦う」、社会・環境の未来を正確に把握し経営への影響を考慮しつつ適切な長期目標を設定する「科学的根拠のある大きな目標を立てる」、これまで当たり前だと思われていたことをアウトサイド・インやオープン・イノベーションで見直す「異次元のイノベーションを追求する」です。

バリュー・ピボットの3つの戦略は、業績評価指標やインセンティブを変えて組織を動かす「社員全員を巻き込む」、投資の意思決定に環境影響を反映させるなどの「ROIを再定義する」、自然資本の経営への影響を理解するためにその価値を測定する「自然資本に価格をつける」です。

パートナー・ピボットの3つの戦略、政府を動かしてシェアード・バリューなルールメイキングを実践する「ロビー活動を変える」、日本でもキリンとアサヒなどが実践している“非競争分野の協働”を含む様々なコラボレーションを推進する「ライバルをパートナーに」、消費者を啓発してサステナビリティに向けた行動変容を促し市場を創造する「消費者に“気づき”を仕掛ける」です。

最後の戦略は、「暑い・足りない・隠せない」世界に適応し成功するために多様性、冗長性などを持つ「レジリエントで脆弱性のない企業をつくる」です。

「ビッグ・ピボット」では、これら10の戦略について、具体的な手法と事例を沢山示しています。サステナビリティとビジネスの統合については、グローバル企業の先進事例や具体的な方法を示されても、自社の文脈に当てはめつつ、実際に社内外を巻き込みそれを実践するのは容易ではありませんが、「ビッグ・ピボット」のような書籍などから知識を得ることは、実践に向けた重要な1歩です。

(参考)
「ビッグ・ピボット」アンドリュー・S・ウィンストン著(英治出版、2016年)

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