農業CSVを進化させるアグテック

2016-08-04 09:09 am

農業に関わる課題は、バリューチェーンの生産性に影響するため、食品飲料企業を中心に、多くの企業がこの領域でCSVの取り組みを進めています。国内外のバリューチェーンのCSVの代表的事例であるネスレ、伊藤園の「サプライヤー農家の育成」などが有名です。

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これまでの農業CSVが取り組む課題は、途上国農業の生産性向上、日本の農業の高齢化・後継者不足、耕作放棄地の増加などでした。今後は、人口増や生活レベル向上により食料需要が増加する一方、温室効果ガス排出の20%前後、森林破壊の75%、水利用の70%を占める農業の環境影響軽減への要請が益々強くなり、食料増産と環境負荷の軽減をどう両立するかが、世界的には、農業に関わる最大の関心事となるでしょう。

ここで注目されているのが、ICTなどのテクノロジーを用いて、効率的な農業を実現しようとするアグテック(AgTech、農業テクノロジー)です。2014年に急速にアグテックへの投資が拡大し3,000億円近くとなり、2015年は5,000億円を超えています。

最近になって、食料・環境問題への関心の高まりと、IoT、ドローン、AI、衛星化地図、ロボットなどのテクノロジーの進歩が融合し、アグテックは、急速に注目されています。ドローンメーカー3D Roboticsや小型衛星企業Planet Labsも、初期の重要市場機会として農業を挙げているようです。

アグテックの領域では、センサー、ドローン、衛星などのテクノロジーを用いて、水利用、農薬散布を効率化し、廃棄物を削減するといったイメージしやすいものに加え、卵を使わない植物性の卵を開発するHampton Creek、細胞から培養した3Dプリントの肉や皮革を開発するModern Meadowなど、様々なイノベーションを追求する企業が登場しているようです。

モンサントとバイエルがアグテック投資のためのファンドを設立しているほか、キャンベルスープ、ゼネラルミルズ、ケロッグがベンチャー投資のための組織を立ち上げるなど、農業、食品大手企業もアグテックを取り込もうとしています。特にモンサントは、他社がアグテックに関心のなかった2011年からこの領域への投資を続けています。

日本では、富士通、NECなどが農業クラウドのサービスを展開していますが、海外の動きと比べるとダイナミズムに欠けるほか、今のところサービスも小粒に留まっています。サステナビリティにおける最大級の課題である食料増産と環境負荷軽減の両立に向け、日本の企業も幅広いテクノロジーを融合したアグテックで農業CSVに積極的に取り組むことを期待したいですね。

(参考)

www.sustainablebrands.com/news_and_views/supply_chain/levi_stewart/more_better_responsible_food_value_sustainable_agriculture_

jp.techcrunch.com/2015/04/02/20150401the-new-queen-of-green/

forbesjapan.com/articles/detail/6708

www.sustainablebrands.com/news_and_views/ict_big_data/sustainable_brands/trending_bayer_dupont_15m_agtech_fund_agtech_walmart

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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