水の課題先進国イスラエルのCSV

2016-08-29 09:15 am

最近発表されたフォーチュンの’Change the World’ Listの2位にイスラエルのIDEテクノロジーズが入っています。IDEテクノロジーズは、海水淡水化のリーディング企業として、世界の水資源が不足している地域で、海水を飲料水や灌漑用水に転換するビジネスを展開しています。IDEテクノロジーズが代表格ですが、イスラエルでは、水問題を解決する技術が発展し、多くの企業が水関連ビジネスを展開しています。

イスラエルで水技術が発展しているのは、イスラエルが水の課題先進国だからです。国土の60%が荒野で、淡水の水源は限られ、降水量も少ないイスラエルは、昔から水問題に苦しんできました。有名なフォークダンスソング「マイム・マイム」の「マイム」はヘブライ語で「水」を意味しており、この曲は掘り当てた井戸のまわりを踊り、喜びをもって水に駆け寄るユダヤ人の姿をあらわしているそうです。それほどまでに、イスラエルには、水がありませんでした。

水不足に苦しむ中、イスラエル人は、何とかして水の供給量を増やし水を効率利用しようと工夫し、淡水化、水再生、点滴灌漑など様々な水技術を発展させました。いまやイスラエルの水消費量の20%近くが淡水化された海水でまかなわれており、2020年までには50%が「元海水」となると予想されています。また、下水のリサイクル率は83%に達しており、世界2位のスペインの12%を大きく凌駕しています。ちなみん、日本の下水リサイクル率は2%です。

イスラエルの政府と企業は、人口増加・気候変動などの影響により世界的に水不足が深刻になりつつある中、これまで培ってきた水技術を強みとしてビジネスをグローバルに展開しようとしています。イスラエル政府は、WATECという国際水環境技術博を毎年開催し、イスラエルの水技術をアピールしています。昨年のWATECには、90を超える国から10,000人が集まっています。

IEDテクノロジーズなどの大企業に加え、水技術のスタートアップも多く誕生しています。例えば、バイオフィルムを利用して従来の20%のエネルギーで水を再生できるシステムを提供するスタートアップEmefcyの技術は、「世界を救う10の水技術」に選ばれています。このようにイスラエルでは、水問題の課題先進国という逆境を生かし、世界の水問題を解決し自社のビジネスも成長させるCSV企業を多く誕生させています。

日本も高齢化、人口減少に起因する課題をはじめ、地震や台風などの自然災害、エネルギー、農業など様々な課題を抱え、課題先進国と言われています。これを逆に強みとして、イスラエルのように特定の課題における課題解決先進国として、CSVビジネスを発展させていける可能性は大いにあります。政府、企業などが協働し、日本が先進的に解決すべき課題にフォーカスし、戦略的にCSVビジネスを育成すべきです。

(参考)

wired.jp/special/2016/israel/water-tech/

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

csv-jp.org/related_info.html

CSV戦略ポテンシャル診断サービス
「CSV戦略ポテンシャル診断」サービスページ

Copyright(c) 2012 Cre-en All Rights Reserved.