CSVのフレームワークと統合思考

2016-09-15 09:01 am

統合思考とは、IR・CSRの世界では、「企業経営と財務・非財務の様々な資本との関係を能動的に考え、短・中・長期の価値創造ストーリーを描き、それに基づく意思決定および行動に結び付けること」と捉えられています。「非財務側面の経営的意味合いを、中長期の時間軸も含め構想すること」という言い方もできるかも知れません。

「非財務側面の経営的意味合い」を考える上では、CSVのフレームワークは有効です。CSVの基本フレームワークは、イノベーション、バリューチェーン、(広義の)エコシステムの3つです。「イノベーション創出力を如何に高めるか?」、「(外部環境変化も踏まえ)バリューチェーンを如何に維持・強化していくか?」、「市場を創造・維持していくためのビジネス環境・仕組みを如何に構築するか?」を考えるフレームワークです。CSVの場合は、特に社会的課題との関わりに注目しますが、これらの問いは、「非財務側面の経営的意味合い」を考え、表現する上でも有効です。

非財務の資本としては、無形資本、人的資本、社会関係資本、自然資本などがあります。これらの資本や資本を強化する活動は、企業のミッション、ビジョン、戦略と「統合」されている必要があります。ミッション、ビジョン、戦略を実現するために、「どのようなイノベーションを創出する必要があるか?」、そのためには、どのようなR&Dを行い、どのような人材を獲得・育成し、どのような組織・人的ネットワークを構築する必要があるか、といった観点から、非財務資本および活動を経営にどう統合させるかを考え、どう統合しているかを整理・表現します。

同様に、ミッション、ビジョン、戦略実現のためには、「気候変動などの環境変化が想定される中、如何にバリューチェーンを維持・強化していくか?」、「戦略実現のためには、バリューチェーンのどこをどのように強化していく必要があるか?」、そのためには、調達、生産、物流、流通、廃棄・リサイクルのあり方をどうすべきか、どのような技術・ノウハウを蓄積し、どのような人材を獲得・育成し、どのようなコラボレーションが必要か、水や生態系などの自然資本で保全すべきものはあるか、などを考えます。

また、ミッション、ビジョン、戦略実現のためには、「どのようなビジネス環境・エコステムを構築すべきか?」、「どのようなルールメイキング、市場の啓発・創造活動が必要か?」、そのためには、ビジネス環境整備整備をどう働きかけるか、どのような人材の獲得・育成が必要か、どのようなステークホルダーとの関係構築やコラボレーションが必要か、生態系の変化がどうビジネスに影響するか、などを考えます。

ESGが新しい競争軸として重視される時代において、「統合思考」は益々重要性を増していきます。そして、統合思考とは、CSVのフレームワークを頭に入れて自在に使いこなすことであると言っても良いと思います。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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