トランプ大統領誕生で、サステナビリティはどうなるか

2016-11-14 09:04 am

次期大統領にトランプ大統領が選出されました。事前の予測では主要メディアがこぞってクリントン氏優位と報道していましたが、投票直前のクリントン氏が勝つ確率は意外に低い65%程度と予想されており、3割以上の打者がヒットを打つ確率なら、トランプ大統領は十分あり得るなと考えていたところ、その通りになりました。

トランプ氏は、これまで‘I Don’t Believe in Climate Change’、地球温暖化はでまかせであり、米国はその対策にお金を費やすべきではないなど、気候変動には否定的な発言を繰り返しています。過去には、「地球温暖化のコンセプトは、アメリカの製造業の競争力を落とすことを狙う中国によって作り上げられたものだ」とも発言しています。

トランプ氏は、パリ協定からも脱退の意向を示しています。パリ協定の批准国は、発効後4年間は脱退できない規定があり、協定の大枠は維持されるとの見方がある一方、国連の法律専門家が、パリ協定の親条約である1992年の気候変動枠組み条約からは1年前の通知で脱退が可能で、米国はパリ協定の批准を無効にできると指摘しています。米国がパリ協定から実際に脱退するかどうかは分かりませんが、いずれにせよ、米国連邦政府の環境政策の影響は大きいものがあります。

こうした環境政策に対する否定的な発言や、反ダイバーシティ的な様々な発言から、サステナビリティ推進派の間では、トランプ大統領誕生に懸念、失望の声が広がっています。確かに、これまでの発言からすると、環境や未来世代のために、現在の人々の生活を犠牲にするような政策を採ることはなさそうです。また、環境・エネルギー政策について、シェール大手のコンチネンタル・リソーシズCEOのハラルド・ハム氏がトランプ氏のエネルギー政策顧問を務めており、シェール掘削や輸送を促進する規制緩和が行われそうです。ハム氏が、エネルギー長官に就任するとの噂もあります。

具体的なことは、来年1月以降にならないと分かりませんが、トランプ氏の政策は、環境面、社会面でも様々な影響を及ぼします。恐らく、長期視点よりは、短期視点を優先した政策が採られるため、サステナビリティ推進派にとっては、基本的には逆風だと思います。こうした状況において、政府も巻き込んでサステナビリティを推進していくには、短期と長期を両立させるシェアード・バリュー思考がより重要になります。

また、クリーンエネルギーなどは、政策的な後押しが無くとも自律的に広がるとの見方もありますが、ビジネス上のメリットがあるものは、政策動向に関わらず、企業が独自に進めていくべきものです。仮に、トランプ大統領が近視眼的な政策を採ったとしても、ビジネスは、短期と長期の統合思考を持ち、CSV/シェアード・バリューの取り組みを進めていくべきで、必要があれば、その両義性を持って政府にも働きかけていくべきです。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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