旅行業界の地域創生CSV

2016-11-21 09:00 am

米LCCのジェットブルー航空が、米国務省魚類野生生物局、野生生物保護を啓発・促進するNPOや企業などによる組織U.S. Wildlife Trafficking Allianceとともに、旅行者にカリブ海の生態系保護を啓発する取り組みを始めました。カリブの生態系を保護するために旅行者が出来ることを啓発するビデオを作成し、すべてのフライトで流しています。

ビデオでは、カリブの観光地で生態系保護に取り組む人々を紹介し、珊瑚やウミガメを保護するために、珊瑚やウミガメの甲羅で出来た製品を買わないこと、ウミガメ料理を出すホテルに泊まらないことなどを啓発しています。旅行者が余り意識せずに生態系破壊に加担し、カリブに人々を惹きつけている自然の魅力が失われつつある現状に気付いてもらい、カリブの生態系を保護しようとしています。ジェットブルーは、こうした取り組みを通じて、「スマートな旅行(Travel Smart)」「責任ある旅行(Responsible Tourism)」のカルチャーを創造しようとしています。

ジェットブルー航空のフライトの3分の1はカリブ・南米向けで、カリブの自然の魅力を維持することは、ジェットブルー航空のビジネスにとっても重要です。そのため、ジェットブルー航空は、カリブの生態系保護活動に積極的に取り組んでおり、海洋保護財団と経営コンサルティング会社A.T.カーニーとともに、自社事業の財務の健全性が、生態系の健全性に依存しているとのレポートも発行しています。レポートでは、カリブ海の自然を保全することが、カリブ海に多数の路線を持ち、年間180万人の旅行者を運んでいるジェットブルー航空の収益に貢献することを、定量的に算出しています。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=1703#.WDD-22e7rIU

旅行業界においては、ジェットブルー航空のように旅行の目的地の魅力を高める、あるいは維持することが自社のビジネスを発展させるCSVになります。JTBが交流ビジネスを促進させるために地方創生に取り組んでいること、ANAが地方創生を自社のマテリアリティの1つとして掲げていることも、同様の考え方に基づいています。

ジェットブルーの例に見られるように、旅行関連企業が地域の自然や文化の保護活動を支援するだけでなく、旅行者の意識を高めることは、旅行者が地域に魅力を再考することにもつながり、地域創生をより促進することになると思います。航空、鉄道、旅行業等、できるだけ多くの企業にこうした地域創生CSVの取り組み、CSVマーケティングを行ってもらえればと思います。

(参考)

www.csrwire.com/press_releases/39467-JetBlue-U-S-Fish-and-Wildlife-Service-U-S-Wildlife-Trafficking-Alliance-Urge-Customers-to-Buy-Informed-

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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