ペプシコのパーパスに基づく変化対応

2016-11-28 09:34 am

先月、ペプシコが清涼飲料水に含まれる砂糖の量を大幅に減らす目標を発表して話題になりました。2025年までに、世界で販売する飲料の3分の2以上で、砂糖によるカロリーを約355mlあたり100kcal以下に抑えるという目標です。

WHOが加盟国に糖分を多く含む飲料への課税を呼びかけ、実際に、英国、フランス、メキシコ、米国フィラデルフィアなどで、糖分入り清涼飲料水への課税(「ソーダ税」の導入)が決定されるなどの動きを意識したものです。WHOや各国政府がソーダ税導入に動く背景には、世界的な肥満や糖尿病の増加があります。WHOの報告書によれば、世界の18歳以上の成人の3分の1が体重過多の状態にあり、男性の11%、女性の15%は肥満と診断されるレベルにあります。この肥満人口割合は、1980年から2014年の間に倍増しています。また、2012年時点で、糖尿病患者は世界で4億2200万人に達し、年間150万人が糖尿病で亡くなっています。

ペプシコは、健康意識の高まりが具体的な政策に落とし込まれる中、他社に先んじて砂糖の大幅削減の目標を発表しましたが、この背景には、ペプシコの「パーパス」があります。ペプシコは2006年に「Performance with Purpose」というビジョンを掲げ、社会環境にポジティブな影響を及ぼしつつ、持続的・長期的に成長していくとの考えのもと、事業を推進しています。

ペプシコCEOのインドラ・ヌーイ氏は、2006年の就任直後に、社員との対話型ミーティングを実施し、社員がパーパスを求めていること、それが消費者の健康に良い製品を作ることであることを理解しました。そしてパーパスを掲げ、ポートフォリオを変革しました。その結果、ペプシコの製品ポートフォリオには、「食の喜びを与えてくれる製品」と「健康によい製品」が含まれることになりました。

サステナビリティ推進派には、「食の喜びを与えてくれる製品」といった都合の良い言葉で、相変わらず果糖飲料やポテトチップスを販売し続けていることに批判的な人もいるかも知れませんが、ヌーイ氏が製品ラインの全体的な方向性を健康志向にシフトする決断をしたことが一部投資家の批判の的となったことを考えると、製品ポートフォリオを2つに分けることは、現実的なやり方だと思います。

ペプシコは、パーパスを掲げて「健康により製品」事業を強化することで、時代の変化に適応しています。故スティーブ・ジョブス氏が、当時ペプシコにいたジョン・スカリー氏をアップルの社長に引き抜くときの決め言葉は、「このまま一生砂糖水を売り続けたいのか、それとも私と一緒に世界を変えたいのか」でしたが、今のペプシコは、砂糖水を売る会社ではなく、世界を変える会社になろうとしています。

(参考)
「ペプシコ:戦略にユーザー体験を」DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2016.4

matome.naver.jp/odai/2147679320014556801

yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160621-OYTET50022/

mainichi.jp/articles/20161012/k00/00e/040/194000c

sustainablejapan.jp/2016/11/03/who-sugar-tax/24070

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bizgate.nikkei.co.jp/series/007620/

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