サーキュラー・エコノミーと雇用を両立させる政策

2016-12-26 12:42 pm

CSVやサーキュラー・エコノミーなどの取り組みを促進するために、政策の果たす役割は重要です。日本でもときどき面白いと思う政策もありますが、より本質的な変化を促す政策は、欧州などで導入されることが多いように思います。

最近面白いと思ったのが、スウェーデンで検討されている、修理を促進し廃棄物を減らそうとする税制優遇措置です。内容は大きく2つあり、1つは、自転車、衣類、靴の修理にかかる付加価値税を25%から12%に削減するというものです。もう1つは、洗濯機などの家電の修理の支払いが家計の税制控除の対象となるというものです。これら2つの措置により年間1.14億ドルの歳入減が予想されていますが、一方で政府が指定する化学物質を含む電子機器への課税を強化します。この税制措置の採決は今月末に行われる予定ですが、広く支援されており承認される見込みです。

この税制措置は、修理に比べ、海外の安い労働力で生産されたものに買い換えるほうが相対的に安くなっている現状を改善する効果があります。スウェーデンがサーキュラー・エコノミーに舵を切り、SDGs12「持続可能な生産と消費」を進めていこうという方向性を具体化するものです。また、サーキュラー・エコノミーの流れの中で、注目されている「修理産業」を育成しようとするものです。

「修理」は、自動化が進む「生産」に比べ労働集約的で、労働市場を拡大し失業を減らすことに貢献します。また、修理の仕事は、スキルは必要としますが、高度な教育は必要とせず、最近問題となっている格差問題を解消する効果もあります。過剰な消費や廃棄を減らしつつ、仕事を増やし、さらには格差を解消するという狙いのある筋の良い施策です。これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄、その中で経済を拡大し雇用を生み出そうという経済から転換し、資源循環と新しい雇用、その中で格差などの問題を解決する新しい経済を目指す流れに沿った施策です。

私も昔公務員をしていましたが、政策を考え実践していくというのは、非常にやりがいのある仕事です。CSVやサーキュラー・エコノミーが求められる今の時代には、これまでにも増して、新しい政策が求められています。役人にとって、やりがいのある仕事をする機会が沢山あります。政治家、ビジネスパーソン、NPOや社会起業家などと協働しつつ、新しい社会を創る政策がどんどん導入されることを期待します。

(参考)

www.corporateknights.com/channels/waste/13508-14816213/

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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bizgate.nikkei.co.jp/series/007620/

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