「サーキュラー・エコノミー」-デジタル時代の成長戦略-

2016-12-27 09:50 pm

サーキュラー・エコノミーの初の本格的書籍ではないかと思われる「サーキュラー・エコノミー」の内容を紹介します。原題は、”Waste to Wealth – The Circular Advantage”で、同書が提唱するアプローチは、「無駄」を「富」に変えることです。これにより、2030年までに新たに4兆5000ドルの経済価値を生み出せるとしています。

「富」に変えられる「無駄」は、以下の4つの種類に分けられます。
① 資源の無駄:再生できない原材料やエネルギー
② 製品のライフサイクル価値の無駄:まだ利用できるにもかかわらず廃棄される製品
③ キャパシティの無駄:未利用の状態で放置される製品。例えば、自動車は製品寿命の90%が使われていない。
④ 潜在価値の無駄:廃棄製品から回収・再利用されない部品等

そして、「無駄」を「富」に変えるビジネスモデルは、以下の5つに整理されます。
① サーキュラー型のサプライチェーン:供給量が少ない原材料や調達リスクが高い素材に替えて、安定調達を実現するために、繰り返し再生し続ける、100%再生可能な原材料や生分解性のある原材料を導入する。
② 回収とリサイクル:従来は廃棄物とされていたあらゆるモノを他の用途に活用する生産・消費システムを構築する。
③ 製品寿命の延長:壊れたり、時代遅れになったり、不要になったりして廃棄される製品を回収し、修理やアップグレード、再製造、再販することで製品寿命を延長する。
④ シェアリング・プラットフォーム:新たなテクノロジーを積極的に活用し、使用されていない製品などの貸し借り、共有、交換を促進する。
⑤ サービスとしての製品:メーカーや小売企業が製品を所有し、消費者やユーザーは、モノを必要な時にだけ借りて使い、利用した分だけのサービス料金を支払う。

この本の優れた点は、120社以上の企業を対象とした調査と50名の企業幹部リーダーとの詳細インタビューに基づく豊富な事例です。また、日本語の副題が「デジタル時代の成長戦略」となっているように、最近のテクノロジーを生かす戦略を提示していることです。本書の豊富な事例などから、自社でサーキュラー・エコノミーの取り組みを進めるインスピレーションを得ることができるでしょう。

(参考)
「サーキュラー・エコノミー:デジタル時代の成長戦略」ピーター・レイシー&ヤコブ・ルトクヴィスト著(日本経済新聞出版社、2016年)

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