社会に不可欠な専門家の役割を果たすAI

2017-02-13 08:07 am

機械が自ら学ぶディープラーニングの登場により、AIが急速に進化して、人間の仕事を奪ってしまうのではないかと話題になっています。AIが人間の仕事を代替することは、ネガティブな側面もありますが、当然、ポジティブな側面もあります。その一つが、社会に不可欠だが不足している専門家の役割を果たすことでしょう。

先日、途上国の失明の最大の原因である白内障患者に対して、先進国の2%程度という驚くべき価格で外科手術を提供し、これまでに5,000万人以上に白内障手術を行っているオーロラブ社創設者のデヴィッド・グリーン氏と食事をする機会がありました。グリーン氏は、低価格での手術を可能としましたが、途上国で白内障による失明が多いのは、医師の不足により治療が受けられないことも大きな理由です。

白内障と同様、医師が不足し、成人の失明の主要な原因となっている病気に糖尿病性網膜症がありますが、グーグルのAIが、医師の変わりにこの病気の診察を行い、途上国の人々を失明から救おうとしています。グーグルのAIは、囲碁が強いことで有名で、人間や動物の顔の認識も得意ですが、この画像認識技術で網膜に現れる症状を正確に検知します。グーグルの研究者は医師とともに、ディープラーニングを利用して、糖尿病網膜症を特定するAIを開発していますが、すでに、人間の眼科医とほぼ同じ確立で症状を特定できるようです。

このプロジェクトのきっかけは、あるグーグルの研究者が、生まれ故郷のインドの医者が、この病気の検査が必要なすべての人々を診察するのに苦労しているのを知ったことだそうです。すでに多くの現場で、医師が患者を直接診察することなく、患者の写真を見て診断しています。「これはとても有効な技術で、糖尿病性網膜症の検査ができない遠隔地の人々を診察することを可能にします」と、糖尿病を専門とするワシントン大学の臨床学教授であるデイヴィッド・マックコローは言っています。

AIに関しては、運転手を代替して交通安全を確保しようとする自動運転なども注目されていますが、「社会に不可欠だが不足している専門家の役割を果たす」あるいは「専門家を補佐する」視点の研究もどんどん進めていってもらえればと思います。

(参考)

wired.jp/2017/02/07/googles-ai-prevent-blindness/

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